京都新聞掲載「アクセス」

高校野球の練習球修理丹念に
伏見の工房あすく(2013/10/15)


photo  自閉症の人たちの事業所「工房あすく」(京都市伏見区)は、高校の野球部が毎日の練習に使う練習球の修理を行っている=写真。

 修理された硬球は「エコボール」と呼ばれ、元横浜ベイスターズの選手だった大門和彦さんが障害のある人の仕事にできないかと提案したのがきっかけだった。京都府内では2事業所が取り組んでおり、京都をはじめ大阪や香川、神奈川の高校など55団体が活動に賛同している。「あすく」では、京都府立洛東高と京都市立伏見工高の硬式野球部からの修理を受注している。ボールは汚れて赤い糸が切れたり裂けている状態で届き、発達障害のある人が手縫いで修理している。修理は1球50円で、売り上げはすべて利用者の工賃になっている。

 所長の平井かよ子さん(64)は「最初は取り組みが難しいと思っていたが、白いボールに赤い糸を×印で縫っていくことが発達障害の人にはとても見やすく取り組みやすい仕事だった。協力してくれる学校を増やしたい」と話す。