京都新聞掲載「アクセス」


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創設時の奔走 日誌発刊
社会福祉法人健光園(2019/07/15)

特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人健光園(京都市右京区)はこのほど、創立70周年を迎え、記念事業として同園創設メンバーの横川八重さん(1903〜65年)の創設前後から約8年間の日誌をまとめた「京都嵯峨壽樂園日誌」=写真=を発刊した。

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前身の寿楽園は、終戦間もない49年4月に右京区の大覚寺門前に養老院として設立された。62年に健光園に改称し、現在、高齢者施設や児童館など11施設を運営している。

横川さんは健光園前理事長小國英夫さん(80)の叔母で、小國さんの母静子さんとともに設立に奔走。日誌は48年12月から57年3月までのほぼ毎日、大学ノート8冊につづっていた。

開設前の1月25日の日誌には、京都で最も古いとされる伏見区の養老院「同和園」を訪ね「病室で寝ている人達を見たとき、養老院をやって、すこしでもこうした気の毒な人達のために残る命を捧げようと云(い)う気になる」と記している。

同書を監修した小國さんは「養老院のドキュメントというだけでなく、戦後の日本がどのように復活していったかの記録。多くの人に読んでほしい」と話す。

関西学院大学出版会刊、6000円(税別)。希望があれば、養護老人ホームに提供する。
連絡先は小國さん 090(3625)8560。