京都新聞掲載「アクセス」


京都新聞掲載「アクセス」

文庫活動や障害児家庭を支援
女性の遺族寄付(2019/07/29)

photo 京都市南区で子ども文庫活動や障害児の家庭を支援するボランティア活動を続け、昨年6月に亡くなった女性の遺族がこのほど、「母の思いを地域福祉に役立ててほしい」と京都新聞社会福祉事業団に遺産の100万円を寄付した。

女性は82歳で亡くなった同区久世東土川町、大羽左喜子さん=写真。27歳で東京から京都に嫁ぎ、近隣に書店がなかったため母親仲間と「久世子ども文庫」の設立を各種団体に働きかけた。

設立後は運営に携わって子どもたちの読書活動を推進する一方、お年寄りから昔話を聞き取った「久世のむかしばなし」の出版に尽力した。

障害のある子どもたちに安全な玩具を用意して親子の交流を図る「久世おもちゃライブラリー」の活動にも参加。子どもたちと遊び、母親の悩みを聞いたりしたという。

左喜子さんは生前、「久世で50年、本当に良いお友達に恵まれたことを感謝しています」と話し、「自分と一緒に育った庭の木々は大切にしなければならない」と寄付する意向を示していた。

長女大羽由香里さんと次女宮下美裕さん、三女大羽恩さんは事業団のほか、左喜子さんと遊んだ子どもが成長して通う就労支援事業所や児童養護施設などにも寄付する。