特集

12月1日から「歳末ふれあい募金」

地域福祉維持へ 温かな善意を
募金額減少傾向- さらなる協力呼びかけ

京都新聞社会福祉事業団
(2011/11/29)


 京都新聞社会福祉事業団「歳末ふれあい募金」の受け付けが、今年も12月1日から始まる。同事業団では募金を基に45年間にわたり、障害者や高齢者らへの支援を行ってきた。ただ数年前から募金額は減っており、同事業団では地域福祉の維持に向け、さらなる協力を呼びかける。

 「歳末ふれあい募金」は同事業団が発足した1965(昭和40)年にスタートした。使い道は京都府内、滋賀県内を対象に▽障害者支援▽子育て活動の応援▽高齢者へのプレゼント▽施設・団体への援助?を4本柱にしている。

 障害者への支援としては、9月に京丹波町で全京都車いす駅伝を主催。2月には京都市内で開かれる全国車いす駅伝を共催している。また8月には宮津市で海釣り大会を実施。作業所で働く人のため工賃増に向けての助成も行っている。  子育て活動の応援では、お母さんのグループやサークルのイベントや活動費として1団体2万円。京滋の17児童福祉施設のレクリエーション費用も助成している。

 独り暮らしなどのお年寄り向けには、新年の一食にと丹波産の新米を提供。ボランティア団体などを通じて炊き込みご飯やちらしずしにして配っている。

 施設・団体への援助では、特別養護老人ホームを中心に、昨年度までの3年間で106台の車いすを寄贈した。このほかパン作り用ミキサーや印刷機などをニーズに合わせて寄贈してきた。

 だが募金の額は減少傾向をたどっている。以前は年4000万円ほどだったのが、経済状況の低迷もあり09年度は3157万8254円、10年度には2909万4440円と3000万円を割った。このため助成対象も絞らざるを得ない状況だ。同事業団は、新聞の折り込みや金融機関に振り込み用紙を置いてもらうなどで広報に努め、善意の寄付を呼びかけている。問い合わせは同事業団 TEL 075(241)6186

見守り活動にも力
昨年度、103団体に1万170食届ける

配食サービス

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配食サービスの調理を行う西小倉地区社会福祉協議会のメンバー(1月17日)
 今年1月17日、宇治市の西小倉地区社会福祉協議会では、京都新聞社会福祉事業団から提供を受けた米で、独り暮らしのお年寄りたち170人に配食サービスをした。

 同社協給食部会メンバーの女性が、新年の赤飯や煮付けを手際よく盛りつけ、配達担当の民生児童委員や福祉員が「温かいうちに食べてもらえるように」とでき上がりを見計らって5軒から8軒の担当世帯に届けた。

 合わせて「お体はどうですか」などと声をかける、見守り活動にも力を注いでいる。

 配食サービスは、ふれあい募金などを基にした地域福祉を支える柱の一つ。2010年度は103団体に1万170色が配られ、喜ばれた。

「人助けに、今後も続けたい」
末永い支援の輪広がる

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持参した募金を手渡す洛陽総合高生(2010年12月)

 洛陽総合学院(京都市中京区)では洛陽総合高の生徒分と、幼稚園を含めた教職員分を合わせて、昨年までに39回寄託した。高校卒業後は福祉関係の職業に就く生徒も多く、「人助けにつながることなので、今後も続けていきたい」と話している。

 学校関係以外にも、毎年、募金を続けてくれている個人や団体は多い。養福寺・永春婦人会(左京区)が最多の45回。このほか京都信用金庫や京都中央信用金庫といった地元金融機関や企業、浄土宗教師修練道場など宗教関係、慈善団体や同窓会など多岐にわたる。

 集め方も、会社や団体事務所の募金箱、文化祭などイベント時の募金、街頭募金、たく鉢、チャリティーバザーなどさまざまだ。