ともに生きる・福祉のページ
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活動研究交流会議詳報 京都市民のボランティア意識調査は?

意欲生かす環境必要(2006/05/02)


写真 ボランティア活動に取り組む京都市民が意見を交換する「ボランティア活動研究交流会議」が先月、下京区のひと・まち交流館京都で開かれた。この中で、「京都市民のボランティア意識調査」の内容が報告され、約150人の参加者が「子育て支援」「グループ・団体のネットワーク」「災害ボランティア」など6分科会に分かれて意見交換した。意識調査の内容と分科会の主な討議を紹介する。(写真=「グループ・団体のネットワーク」の分科会で活発に意見を交換する参加者/ひと・まち交流館京都)


  • ボランティア意識調査
     調査は京都市福祉ボランティアセンターが設置した調査委員会が2005年9月に実施(対象は2019人。回収639件、回収率31・6%)。
     ボランティアへの関心は「ある程度ある」「非常にある」が合わせて57・9%で、多くの人が関心を持っていることが分かった。経験したボランティア活動の分野(複数回答)は献血や健康教室の支援などの保健・医療が一番多く37・1%、次いで自治会活動など地域自治・まちづくり30・4%、美化運動などの環境保全・自然保護26・1%。高齢者介護などの社会福祉、子ども育成は15%程度と案外少なかった。
     参加のきっかけは、順番(当番)が回ってきたがトップで30・4%、友人・知人に誘われてが24・4%、興味があった17・8%などの順。活動の情報を得ているのは、新聞・雑誌、テレビ・ラジオ、行政の広報紙が多い。
     今後、ボランティア活動を「ぜひしてみたい」「まあまあしてみたい」人は35・5%。活動に参加しやすくなるための条件としては、情報提供や窓口の用意、わずかな時間を利用して参加できる、活動場所が近くにあることなどがあがった。このほか自由回答として、広報・情報提供の必要性についての指摘が目立った。
     調査結果から、調査委員会の一員であった藤松素子佛教大助教授は「ボランティアの意欲を生かすコーディネートが大事。また、活動するための場所づくりや教育、環境整備が必要」と課題をあげた。

  • 分化会から
     6つの分科会のうち、「グループ・団体のネットワーク」では、「働きたいおんなたちのネットワーク」「環境市民」などが事例発表。それを受けて、ネットワーク構築のノウハウや新たなつながりの可能性について意見交換した。
     「子育て支援」では、主任児童委員による支援やアレルギーを持つ子ども、双子の会の実例が報告された。この中で、現代の子育てが、多様な課題を抱えていることが指摘された。また、国や自治体の子育て支援対策の推移や海外の事例も紹介され、参加者は熱心に話し合った。
     「障害児・者の兄弟の活動」では、ボランティアグループや当事者の家族らが経験を基に報告。参加者からは、障害を持つ人の兄弟らが抱える多くの不安や問題などに質問や意見が出され、議論が交わされた。
     京都市福祉ボランティアセンターでは、「今年は個人情報保護問題も分科会に取り上げるなど、その時々の問題にも取り組んでいる。今後はさらに、ボランティアの横の交流とそれぞれのテーマを深めていきたい」と話していた。