ともに生きる・福祉のページ
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可能性に挑戦 協議部門の提案も

〜障害者シンクロ すそ野拡大〜(2006/05/23)


写真  障害のある人とない人がともにシンクロナイズドスイミングを楽しむ、第15回記念障害者シンクロナイズドスイミングフェスティバルが、14、15の両日、京都市左京区の京都市障害者スポーツセンターで開かれた。記念大会の今回は、カナダから役員・選手の3人を迎え、国際交流の第一歩を踏み出した。24チーム、330人が参加した演技に先立って、記念シンポジウム「障害者シンクロのこれから」が開催され、カナダからの参加者も交えて、障害者シンクロの普及と演技向上にむけて熱心に意見を交換した。
(写真=障害のある人とない人がともに演技する第15回障害者シンクロナイズドスイミングフェスティバル/京都市障害者スポーツセンター


 シンポジウムでは、カナダから参加したシンクロカナダ普及委員長、ウェンディ・ホワイト・モロウさん、障害者選手委員会委員長、ドリーン・ヘイズさん、選手のトロント大四年生、クリスティン・ヘイズさんが、カナダの障害者シンクロの現状を説明。カナダの障害者でシンクロをする人はまだ少なく、全国10州・3準州のうち1州でしか行われていない。まだ全国レベルの競技会はなく、「日本のような全国規模のフェスティバルが開かれるのは大変素晴らしい」と、日本の長年にわたる障害者シンクロの取り組みに賛辞を送った。

 パネリストの小林敏枝清泉女学院短大助教授(長野アップル水泳クラブ代表)は、4人からスタートして県内フェスティバルを開くまでになった長野の発展の要因を説明。その中で、障害のある人もない人もシンクロを楽しむ、ともに演技者であるーなどの基本的考えを大切にして取り組んできたことが大きいと指摘した。  また、「障害者シンクロこそ、ひとりひとりのためのスポーツという考えが形になったもの」と、その魅力を話し、今後さらに発展するには、情報の質と量の確保、指導者養成、パートナー確保、競技性の向上ーが大事だと強調した。

写真  森泰子近畿水泳連盟シンクロナイズドスイミング委員長は、評価をする側面からテクニックや芸術性などについて説明。参加者のレベルが年々あがってきており、「今後は競技的な部門を設けていけば、もっと面白さが増すし、障害者シンクロの可能性も広がるのではないか」と提案した。

 コーディネーターの森田美千代全国障害者シンクロナイズドスイミング連絡会会長は、「障害者シンクロは、水の浮力、抵抗、水圧などその特性を利用したスポーツであり、音楽に合わせる楽しさもある。自分の可能性に挑戦するものであり、これからはカナダのみなさんとも連携して素敵なシンクロを作っていきたい」と、会場の参加者に話しかけていた。
(写真=「障害者シンクロのこれから」を話し合ったシンポジウム)

〔メモ〕障害者シンクロナイズドスイミングフェスティバル
1992年、第1回大会を京都で開く。その後、毎年開催し、参加者は拡大している。全国障害者シンクロナイズドスイミング連絡会、京都市障害者スポーツ協会、京都障害者スポーツ振興会、京都新聞社会福祉事業団が主催。