ともに生きる・福祉のページ
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おとくにパオの子育て情報誌、地域密着で人気

写真 〜支援の輪広がる〜(2006/05/30)


 特定非営利活動法人おとくにパオが発行した、子育て関連の冊子「ぱ・ま・る」が、乙訓地域の母親たちに、地域密着の情報誌として人気が集まっている。子育て真っ最中の若い母親たちが最も必要とする情報はなにか? 話し合った後、自ら取材・編集した。内容は遊び場や子連れで楽しめるランチ店、育児サークル、子どもの医療など身近な情報を満載。母と子の目線がとらえた生きたデータは「すぐさま利用できる」と歓迎されている。

 おとくにパオが開いていた子育て支援ルームに集まった母親たちには「自分の知ってる地域情報が乏しい。まとまった情報誌があればいいのに」との声が根強かった。
 核家族化、小家族化とともに世代間の交流や継承が失われ、地域での人付き合いが薄れがちで、孤立しながらの子育てが目立っている。そこで同団体が長年培ったネットワークを生かし、独立行政法人福祉医療機構の助成を受けて、情報誌作成へ取り組んだ。  昨年6月、編集スタッフを募った。子育て最中の母親15人が集まり、どんな情報を求めているか討論。意見を集約して「あそび場」「子育て支援」「医療」の3グループを結成。取材の仕方から原稿の書き方など手ほどきを受けるなど準備し、一方で保育ボランティア10人がスタッフの取材や定例会議などの時には子どもを一時保育してサポートした。

 9カ月掛かりで今春、完成した。表題は「ぱ・ま・る」はフランス語で「いい感じ」という意味。A4判、36ページ。

写真  「あそび場」は乙訓(長岡京、向日の両市、大山崎町)の屋内外29カ所を収録。開園時間や遊具、水遊び場などの特徴、所在などをイラストや地図を交えて紹介。ついで子連れでOKのお店としてランチのできるレストランやカフェなどを特集。
 「子育て支援」では支援団体や一時保育先の一覧表、ファミリーサポート、育児サークルなど情報が盛りだくさん。
 「医療」では小児科はじめ産婦人科、歯科、耳鼻科や整形外科など関連23施設。救急医療機関とその体験記、医師へのインタビューまで加わる。
 1500部発行し、同団体と乙訓地域の保健センター、市町の児童福祉担当課に配布し、取材した医療機関などに見本誌を備えている。

 作製に携わった宇佐美衣江さんは「この地域の子育て情報を初めてまとまった形に残すことができる。みんなと一緒にやり遂げたと共感できたし、仲のいい仲間ができました」という。また三浦千尋さんは「情報誌作製とともに子どもや家を離れて自分の時間を作り、一人の人間として自己実現を体験できたと感じられました。また地域で子育てを支援する力を掘り起こす作業になったと思います」と振り返っている。
 同冊子はすでに1000部以上が配布済みで「即役立つ情報がたくさん」「引っ越しして来た人にかなり助かりそう」と利用者からのアンケート回答が戻っている。

〔メモ〕おとくにパオ 連絡先/長岡京市開田4-1-12 西和荘TEL075(955)4366