ともに生きる・福祉のページ
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小学校や養護学校 豊かな環境活用
伏見区 子育てサークルかめっこひろば(2006/09/26)

写真京都市南部の伏見区藤城学区は、18年前に学区独立しているが、いまだに保育園や児童館などの幼児用施設がない。
そこで地域の力を合わせて子育て支援を、と藤城学区社会福祉協議会の呼びかけで「子育てサークルかめっこひろば」が3年前に発足。
学区内の小学校と京都教育大付属養護学校など福祉資源を活用し、月2回の子育て支援の事業が、定例として定着し、子育て中の若い世代に歓迎されている。



地域の力を合わせ支援


 藤城学区は深草大亀谷の丘陵地。新興の住宅開発地域で、1988年、藤森学区から独立。学区内に保育園などの幼児用施設がなく、近隣の保育園などを利用している。

 かめっこひろばは、当初は月1回、第2火曜日に同養護学校で始まった。国立大学の法人化とともに地域との連携をめざす同養護学校が協力した。1969年、桃山で発足した同養護学校は72年には大亀谷へ移転。丘陵の竹林に囲まれた自然立地の中に運動場や小宇宙を模した広々とした芝生地のこども広場(4500平方メートル)を備えており、子育ての環境にはこの上ない適地。ここでは親子ペアになって、遊具で遊んだり、保育士の指導による母子でのゆうぎ、紙芝居など楽しむ。

 2年目から藤城小クラブハウスでの会(毎月第4金曜日)を増設した。おかあさん同士のふれあいを主眼におき、学区民生児童委員協議会の出口弘子さんらメンバー7、8人が毎回、ボランティアで子どもを預かっている。その間に母親たちは互いに話し合って子育てについての情報を交換したり、ヨガ教室や講演など自分の時間を生かしたリフレッシュ活動にあてている。

 学齢前の子どもを対象としているが、実際は3歳児までが大半を占めており、毎回の参加者は25から30組。学区内からが主だが、中には市南部や枚方など市外からの参加者も交じっているという。

 ある母親は「近所では、すぐ近くに同年齢の子どもがいることもなく、ここへ来ると同年齢の子どもとたくさん出会え、子どもが喜んで遊ぶ」と言い、また別の女性は「同じように子育てしている人たちと知り合えるのがいい。いつも家の中だけの生活からのストレス発散になります」という感想も聞かれた。

 ボランティアの一部には、子どもが小学校に上がり、子育ての時間に余裕ができた女性たちが、次の子育て支援にと世話役に加わるなどサークルの輪が広がっているという。

 荒木芳・藤城学区社協会長は「サークル開設に際して、学区のみなさんから不用になったおもちゃや遊具を寄付してもらい、活用しています。参加は無料ですので、こちらの資金不足をあれこれやりくりしながらやっています。幸い養護学校の豊かな自然環境をいかして竹林での散歩や小運動会、七夕やなど四季に応じた催しを企画しています」と話している。

〔メモ〕子育てサークルかめっこ広場 連絡先=深草子ども支援センターTEL075(642)3101