ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
ともに生きる

京都新聞「歳末ふれあい募金」

高齢者、障害者支援・・・ 
善意を地域で生かす

11/30から12/28まで受け付け


 京都新聞社会福祉事業団は、恒例の「歳末ふれあい募金」を30日から12月28日まで受け付ける。募金は、子どもための事業や高齢者、障害のある人の自立支援事業など地域福祉に役立てられ、毎年多くの個人のほか、学校や企業、慈善団体、地元の金融機関、宗教団体などから寄せられているが、近年は減少傾向にあり、事業の充実を図るため呼びかけに力を入れている。

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母親支援に取り組むNPO法人子育てを楽しむ会の講座(宇治市・つどいの広場りぼん)
 1965年から始まり、今年で54年目。集まった善意は、障害のある人の就労支援シンポジウムや工賃増に向けた取り組み助成、高齢者に温かい食事を届ける配食サービス支援や介助用車いすの贈呈、児童養護施設の子どもたちのレクリエーション費用補助、卒業お祝い金の贈呈などに活用されている。このほか、子育て支援のグループへの事業助成、高校・大学生らに返済不要の奨学金の給付、京都・滋賀の福祉施設や団体への助成にも使われている。

 高齢者への配食サービスの活動に取り組み、今年30周年を迎えた鳳徳ボランティアサークル(京都市北区)は、同事業団からお米券の贈呈を受けている。毎月2回の配食は有料だが、年1回、支援を受けた米で弁当を作り、約130食を無料で配食。「毎年楽しみにしている」という声も多く、代表の田中早百合さん(69)は「皆さんいつも以上にうれしそうで、普段は配食を利用しないお年寄りにも配ることができて、励みになる」と喜ぶ。通常の配食サービスを知ってもらうきっかけにもなるといい、広がりを期待している。

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配食サービスの弁当を手作りする鳳徳ボランティアサークル(京都市北区・鳳徳小)
 NPO法人子育てを楽しむ会(宇治市)は、母親たちを支えるさまざまな活動に活用している。今年は、事業団から助成を受け手作りを楽しんでもらう事業を催し、母親たちは、帽子や母子手帳カバーなど思い思いの品を作りながら交流している。「孤立しがちだったり、子育てがしんどかったりするお母さんには、かしこまらず誰かと話せる機会が大事。そういう場にできるよう、アイデアを出し合って事業を考えています」と代表の迫きよみさん(56)。先輩ママと話したり、子どもがのびのび遊ぶのを見守ったりする中で、リラックスした表情を見せる母親たちもいるという。

 募金は、同事業団や京都新聞滋賀本社、最寄りの支社・総支局、京都新聞販売所へ持参または京都銀行、京都中央信用金庫、京都信用金庫、滋賀銀行、関西アーバン銀行に設置する専用の振込用紙(受付期間中は手数料免除)から送金する。ゆうちょ銀行、郵便局からの送金や現金書留でも受け付ける。所得税額の控除など税優遇が受けられる。問い合わせは同事業団075(241)6186。

(フリーライター 小坂綾子)