ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

里親制度

国、市から養育費支給も




里親制度について説明する職員=京都市上京区・市児童相談所(提供写真)
  「里親制度」とは、親の病気や家出、離婚などさまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもを自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解をもって養育する、児童福祉法に基づく公的な制度であり、児童相談所でご相談を受け付けています。

 里親には、対応する子どもの特性や、子どもとの関係、また里親の希望に合わせて四つの種類があります。一つ目は、実親が育てられるようになるまで、または子どもが社会的に自立できるまでの一定期間養育する「養育里親」。二つ目は、養育里親の経験を積み、虐待を受けた子どもや障害のある子どもなど専門的援助が必要な子どもを養育する「専門里親」。三つ目は、両親が死亡や行方不明、入院などで養育できなくなった場合にその子どもの扶養義務者が養育する「親族里親」。四つ目は、特別養子縁組を希望する「養子縁組里親」です。

 子どもは、安心できる家庭環境の中で、特定の大人と安定した愛着関係を持つことで自己肯定感を育み、周囲の人との信頼関係を築く力を付けていきます。また、子どもが将来自分の家庭を築くときに手掛かりにするのは、自分が経験した家庭のイメージです。子どものときに安心できる家庭で過ごすことは、生きる力につながります。国においてもさまざまな事情で自分の家庭で暮らせない子どもたちが里親家庭で暮らせるよう取り組みを進めています。

 京都市では、今年3月末現在、137世帯を里親として登録しており、59人の子どもが里親家庭で暮らしています。こうした里親家庭での養育が社会に浸透していくことと、子どものそれぞれの状況に応じた委託を実現していくために「養育里親」や「専門里親」の登録数を一層増やしていくことを目指し、本年度は、「養育里親」の愛称公募やマスメディアを用いた広報活動、制度説明会等のリクルート活動を行います。また、里親が身近な地域で支援を受けられるよう、相談受付や里親仲間同士の相互交流事業等を行う「里親養育推進拠点」を開設するなど、包括的な里親支援体制を構築し、より一層積極的な里親委託の推進を図ります。

 里親になるには、特別な資格は不要ですが、子どもが安心安全な家庭環境で暮らせるために児童相談所において生活環境や養育に対する熱意と養育方針、健康状態、経済状態等を調査し、里親として適任かどうか審査します(別途研修の受講も必要です)。また、里親として子どもを受け入れていただいた際には、子どもの養育に係る費用が京都市から支給されます。

里親になることを希望される方は、まずは児童相談所にご相談ください。
京都市児童相談所 075(801)2929 
月〜金曜 午前8時30分〜午後5時


(京都市子ども家庭支援課)