ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

世界アルツハイマーデー

認知症 理解呼び掛け




「世界アルツハイマーデー」のシンボルカラーのオレンジ色にライトアップされた京都タワー(2019年9月21日、京都市下京区)=提供写真
 皆さんは、オレンジ色にライトアップされた京都タワーをご覧になったことはありますか?

 オレンジ色は、認知症のシンボルカラーです。

 国際アルツハイマー病協会が9月21日を世界アルツハイマーデーと制定しており、この日を中心に日本では、認知症への理解を呼びかける活動の一環として、各地のランドマークや庁舎などがオレンジ色にライトアップされます。京都府内では今年、京都タワー、京都府庁、京都市京セラ美術館、天橋立などがオレンジ色にライトアップされる予定です。

 また、9月を「世界アルツハイマー月間」として、世界各地で認知症に関する啓発活動が行われています。日本でも公益社団法人「認知症の人と家族の会」でポスターやリーフレットを作成し、認知症への理解を呼びかける活動を行っています。  「認知症の人と家族の会」は全国47都道府県に支部があり京都市上京区に本部があります。「つどい」「電話相談」「会報」を活動の3本柱とし、全国各地でさまざまな活動に取り組んでいます。

 つどいでは、介護家族や認知症の人が集まり、日々の困りごとに関する相談や情報交換、勉強会などを行っています。「一人じゃない」「仲間がいる」と多くの方々が参加されています。

 電話相談では、一人で悩むことのないように、フリーダイヤル(0120)294677による相談(平日午前10時〜午後3時)を実施しています。研修を受けた介護経験者の相談員が認知症に関する知識や介護の仕方などの相談を受けています。

 会報は、すべての会員に毎月本部会報「ぽ〜れぽ〜れ」と支部会報を合わせて送っています。「本人と家族と社会をつなぎ 勇気を与える」をモットーに会が結成された1980年当初から発行しています。さまざまな理由でつどいや電話相談が利用できない多くの会員に読まれています。

 今年のアルツハイマー月間は、9月21日に全国認知症啓発ライトアップをYouTube(ユーチューブ)でライブ配信します。また、23日はエッセイストの安藤和津氏を講師にお迎えして南区で世界アルツハイマーデー記念講演会を開催します(いずれも新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、延期や中止の場合があります)。

 2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されています。認知症をもっていても自分らしく暮らせる社会をつくるために、アルツハイマー月間の活動が皆さんと一緒に認知症について考える機会となるように取り組んでいきます。

認知症の人と家族の会京都府支部