ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ:「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

《 管理栄養士 》

人々の健康づくり支援




府民向けに毎年開催している「健康づくり提唱のつどい」で栄養などを学ぶ参加者(2017年12月、宮津市鶴賀・みやづ歴史の館)=提供写真
 管理栄養士は、栄養に関する知識と技術を用いて栄養指導・管理を行う国家資格を持つ専門職です。

 管理栄養士の仕事の内容や環境は、職場によって異なり、医療、行政、学校(小学校)、研究教育機関、勤労者福利厚生施設、地域活動、福祉施設の七つの職域でそれぞれの分野で役割を担っています。京都府栄養士会の会員は現在、約1000人です。

 今回は福祉施設で働く管理栄養士について、ご紹介します。福祉施設で働く管理栄養士も高齢者、障害者、児童の3分野に分かれます。高齢者施設としては、介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどがあり、施設入所あるいは在宅高齢者がその人らしい日常生活を営めるよう一人一人の状態や要介護度、身体機能に合わせた適切な食事を提供します。

 栄養面だけではなく、利用者に食事を楽しんで味わってもらえるように季節や行事を大切にし、食事に取り入れています。障害者(児)施設においても、利用者の身体状況、栄養状態など、特別な配慮を必要とする給食管理やその人に応じた栄養改善に必要な指導を行います。

 施設の医師、看護師、介護職員、介護支援専門員、相談員など多職種と連携し、ご家族とともに、チームで高齢者、障害者の健康を支えます。児童分野では、児童養護施設や保育園、子ども園、児童福祉施設等に管理栄養士は勤務しており、0〜18歳までの子どもたちへ食事アセスメントに基づいた食事・食育計画を作成し、それぞれの子どもたちに応じた安心安全な食事の提供と栄養管理を行います。

 子どもたちが食に対する興味や関心を高め、自立した食生活が送れるように管理栄養士、調理師そして保育士や保護者と連携を図ることが重要です。

 管理栄養士は、管理栄養士養成施設で学び、管理栄養士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けて管理栄養士になることができます。また、栄養士養成施設で学んだ人も卒業後栄養士として働き、実務を積んだ後、管理栄養士の国家試験を受験することができます。

 公衆衛生の向上を目的に府民のための生涯を通じた健康づくり事業を実施しており、毎年、府民向けの公開講座を開催しております。

(公益社団法人京都府栄養士会)