ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ:「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

《 生活支援員 》

困りごとをお手伝い




知的障害などのある人へのお金のやりくりの支援について学ぶ生活支援員(10月28日、京都市右京区太秦下刑部町・右京区役所)=提供写真
 皆さんは、「日常生活自立支援事業」をご存じですか? 高齢による認知症の進行や知的・精神の障害などによって判断能力が低下した人に、日常生活を支援する事業です。

 「しばしば通帳や印鑑をどこへ置いたかわからなくなり、生活費を引き出せず困るようになった」「郵便物や生活費の管理が苦手になり、家賃や公共料金をしばしば滞納するようになった」―。そんな日常的な暮らしの不安を抱えている方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、利用者と社会福祉協議会が契約し、実施します。全国の都道府県・政令市の社会福祉協議会が実施しており、京都市内では現在約780人にご利用いただいています。

 福祉サービスの利用手続き、家計相談や生活費の払い戻し、通帳・印鑑の預かり、公共料金納付書などの郵便物の管理・整理など、本人の困りごとに応じて、お手伝いします。

 利用者に直接支援を行うのが「生活支援員」であり、「専門員」(各区社会福祉協議会の日常生活自立支援事業担当職員)が利用者ごとに作成した支援計画に基づいて支援を行います。

 生活支援員は京都市社会福祉協議会が採用する登録制の非常勤職員となります。担当する利用者の状況によりますが、利用者宅などを月1〜4回程度訪問し、支援に当たっていただきます。現在約340人が活動されています。特別な資格は必要ありませんが、京都市内に住んでいること、事前に市社協の主催する養成研修を受講していただくこと等が条件になります。

 生活支援員の活動には活動費を支給させていただきますが、担当いただく利用者は1、2人程度ですので、大きな金額にはなりません。しかし、生活支援員として支援を経験された方からは、「認知症で顔を覚えてもらうのも大変だったが、『頼むわな』『ありがとう』と言ってもらえるようになった」「支援を続ける中で、利用者が『自分でできること』が増えた」など、やりがいが伝わる感想をいただいています。

 あなたも、社会福祉協議会の生活支援員として活動してみませんか? 養成研修の実施予定や、生活支援員業務の詳細につきましては、京都市社会福祉協議会生活支援部=075(354)8734、ファクス075(354)8737=までお尋ねください。

(京都市社会福祉協議会生活支援部)