ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ:「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

《 介護実習・普及センター 》

知識やスキルを広める




ベッド、車いすなどの福祉用具を展示し、介護や制度の利用などに関する相談、情報提供を行う福祉用具展示コーナー(京都市下京区・ひと・まち交流館京都)=提供写真
 介護実習・普及センターは、平成4年度に国の介護実習・普及センター運営事業として全国に設置されました。

 事業は①地域住民に介護知識・技術を普及すること②介護機器の展示・相談体制を整備し、介護機器の普及に努めることを目的として、実施主体となる都道府県・指定都市から、社会福祉協議会やリハビリテーションセンターに委託され、全国展開していきました。国内の介護実習・普及センターは最大で76カ所ありましたが、平成26年度の調査では44カ所のセンターが活動しています。

 京都市においては、平成6年国庫補助事業として洛西ふれあいの里保養研修センター内に介護実習・普及センターを開設し、平成26年ひと・まち交流館京都へ移転しました。

 介護実習・普及センター事業では地域住民への介護知識・技術の普及、介護専門職研修などを行う介護機器普及事業を柱に、福祉用具などの展示や相談、専門職の研修開催など「普及啓発型事業」を行う介護実習・普及センターが多く、福祉用具の展示規模や研修内容などは都道府県により異なります。

 また、リハビリセンターに委託された介護実習・普及センターでは、理学療法士などの専門職が相談者に合った機器を製作・提供するなど、「問題解決型事業」を行っているセンターもあります。

 京都市介護実習・普及センターは、福祉用具を使用した講座・研修の実施と福祉用具の普及・啓発を行っています。一般市民の方を対象とする「やさしい介護講座」では排せつ、入浴、食事など、介護に必要な知識や技術などを学んでいただけます。また、介護に従事する専門職を対象とした、介護の現場で役立つ知識やスキルを身につける研修を実施しています。

 福祉用具普及事業では福祉用具展示コーナーにベッド、車いすなど多種の福祉用具を展示し、実際に見て、触れてもらい、介護や制度の利用などに関する相談、情報提供も行っています。その他、関連する事業として、高齢者疑似体験、車いす乗車体験ができる介護体験講座や専門職への福祉用具の貸し出しを行っています。高齢者疑似体験セットは、京都市内の小・中学校や福祉・医療などの関係機関や各種団体等に貸し出し、幅広い年齢層の方に加齢による身体的な変化や、介護の方法などを学んでいただいています。

 講座・研修の案内は公共施設に配架するチラシや市民新聞、京・福祉の研修情報ネットなどに掲載しています。

(京都市社会福祉協議会 社会福祉研修・介護実習普及センター所長 小山幸誠)