ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ:「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

《 福祉用具専門相談員 》

自立生活、用具で支え




「リフトリーダー養成研修」を受ける福祉用具専門相談員(2022年11月17、18日、長岡京市のスマイルケア)=提供写真
 福祉用具専門相談員は、介護保険の指定を受けた福祉用具レンタル・販売事業所に2人以上の配置が義務付けられている職員です。介護保険制度を利用して福祉用具を使用したい場合に、他の介護保険サービスの専門職(ケアマネジャー・医療職・介護職等)と連携しながら、高齢者の自立した生活を、福祉用具でサポートする専門職です。

 主な業務内容は、▽選定相談=ご利用者の心身の状態や使用環境などから、福祉用具で解決できることを一緒に考え、一人一人にあった福祉用具を選ぶお手伝いをします▽適合・取り扱い説明=ご利用者のからだの状態や使用環境に合わせ、福祉用具の調整を行います。また、福祉用具を安全かつ有効に使っていただけるよう、取り扱いについて説明します▽計画作成=相談内容にもとづき、福祉用具の利用計画(福祉用具サービス計画)を立てます▽訪問確認(モニタリング)=定期的にご利用者宅を訪問し、福祉用具の点検や使用状況の確認などを行います。

 福祉用具専門相談員という名称での業務は介護保険利用時の相談になりますが、福祉用具は介護保険制度に指定されている物だけでなく障がい者制度に規定されている物の他多くの物があります。他にユニバーサル商品(誰もが使いやすい商品)例えば、自動ドア、多機能トイレ、センサー式蛇口、シャンプーの容器の突起など…身の回りの物、もっと言えば住居そのものが福祉用具と密接に関わります。その人それぞれの生活全般の状況に合わせ相談、提案させていただくのが福祉用具専門相談員です。

 福祉用具専門相談員の職能団体である一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会では、福祉用具専門相談員の資質向上のための各種講習会を開催。例えば、さらなる専門性向上を目指す「福祉用具専門相談員更新研修(ふくせん認定)」や、SV養成研修の開催。京都府ブロックでは、重度要介護者の安全な移乗のため公益財団法人テクノエイド協会が実施する「リフトリーダー養成研修」の実施機関としての承認を得、開催しています。また「最新の介護保険制度改正に伴う対応」への研修会なども情勢に合わせ実施しています。協会に入会している福祉用具専門相談員は、全国では2864人(2023年10月現在)、京都府では110人在籍、また京都府の介護保険指定貸与事業所は110カ所(23年10月現在)登録されています。

(一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会京都府ブロック長 中川宏實)