ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
ともに生きる

京都新聞歳末ふれあい募金

コロナ禍で困っている人たちのためにも
きょうから受け付け、税優遇も
(2020/11/30)


写真
簡易筆談器を使ってヘルパーと介護利用者とのコミュニケーションもスムーズに(亀岡市)=写真は提供
 師走を前に恒例の「京都新聞歳末ふれあい募金」の受け付けがきょう30日からスタートする。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、街頭などでの募金活動は制約されそうだが、協力団体は「コロナ禍で困っている人たちにも」と募金箱の設置などで賛同を呼び掛けることにしている。

 ふれあい募金は、京都新聞社会福祉事業団が1965年の設立時から始め、京都府、滋賀県の障害のある人や高齢者、子ども、子育て、福祉活動などを支援する事業に活用している。寄付金は漸減傾向にあったが、昨年は1318件、計2934万円が寄せられ、前年度を201万円上回った。

 タクシーの営業センター(車庫)に同事業団の募金箱を設置して、乗務員が乗客から渡された釣り銭などを入れている彌榮自動車(京都市下京区)は、1年分の浄財をまとめて届けている。右京区の西五条営業センターの永井辰樹さんは「長年続けていて、乗務員も熱心に協力してくれます。今年はコロナ禍でみんな厳しい状況ですが、例年とそう変わらない額になるのでは」と話している。

写真
托鉢姿で募金協力する浄土宗教師修練道場の僧侶(昨年12月、京都市下京区四条河原町)=写真は提供
 街頭募金や文化祭バザーの収益金を寄せる学校などには、感染拡大の影響が出ている。例年、秋の文化祭の模擬店の収益などを寄付する東山高校生徒会(左京区)は、文化祭自体が中止に。京都市の四条大橋や四条河原町付近の托鉢(たくはつ)で募金に協力する浄土宗教師修練道場(東山区)の僧侶も今年は人混みを避け、四条大橋たもとで人数を減らして実施するという。

 阪急桂駅や西院駅前で街頭募金を行ってきた天理教京都教区右京支部の少年会も「感染拡大の状況を考えると、街頭での反応が予測できない」とやむなく中止を決め、「各教会に募金箱を置いて協力を呼び掛けます」としている。  集まった寄付金は、新年早々から活用される。1人暮らしのお年寄りや高齢者世帯に温かい食事をと、配食サービスグループにお米を提供。さらに在宅高齢者の訪問介護支援や特別養護老人ホームへの介助用車いす贈呈、福祉施設・団体の運営や設備、経済活動への支援事業などに充てられる。

 京都府の大山崎町社会福祉協議会ホームヘルプセンターは、前年度の備品助成で入浴介助の際の洗髪器や非接触型赤外線体温計を購入。「利用者の身体的負担も少なくなり、検温がスムーズにできる」などコロナ禍の訪問介護の現場で役立てている。亀岡市社会福祉協議会は、おしゃべり血圧計や簡易筆談器を購入。聴覚障害のある人とヘルパーとのコミュニケーションがとりやすくなったという。