ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
ともに生きる

障害のある人の海釣り体験

桟橋で、親子で太公望
海ごみについても学ぶ

海洋高生ら熱心に介助(23/09/25)



 「みんなで海釣り―障害のある人の体験講座」(主催・京都新聞社会福祉事業団、神戸新聞厚生事業団)が9、10の両日、宮津市で開かれた。京都、滋賀、兵庫の3府県から56人が参加、ボランティアら117人も加わり、会場の府立海洋高校桟橋で大小の魚を釣り上げ、歓声を交え交流を楽しんだ。

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夏のような日差しの桟橋で釣り糸を垂らす
 同講座は1998年から毎年開かれていたが、「コロナ禍」の中断で4年ぶりの開催。9日は、同市の府立青少年海洋センター・マリーンピアで開講式があり、府立海洋高生が講座「海ごみについて学ぼう」を開いた。3年生らが「ペットボトルなどプラスチックごみは水に浮き、波のある海では回収が難しく、海が汚染される」などと発表した。夜には、魚の釣り方や危険な魚の見分け方、救命用具のつけ方などを学び、翌日の本番に備えた。

 10日朝には海洋高へ移動し、約50人の海洋高生・教職員やボランティアらが準備を整え、参加者は、救命胴衣をつけて桟橋で魚を狙った。夏のような日差しの下、休憩しながらアコウ、ガシラ、カワハギなどを釣り上げた。海洋高生と京都府磯釣連合会会員らは、釣り針に餌をつけたり釣った魚を網ですくうなど介助に取り組んだ。

 5回目の参加という向日市の北村岳大(たかお)さん(28)・英子さん(62)親子は、掛かった魚を釣り落として残念がりながらも「釣りは息子が楽しみにしている。釣れるのもいいけど、あたりを待ってる時間も楽しい」と再び糸を垂らした。

 家族3人で初参加した右京区の西村拓隼(ひろと)さん(9)・政男さん(52)・時子さん(52)は「野外にはよく出かけるけれど、釣りはなかなか行けない。海は気持ちが晴れてすがすがしい」と笑顔を見せていた。

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50センチ級のチヌを釣り上げ大喜び(写真は、いずれも10日、宮津市)
 20センチを超すアコウを釣り上げた西京区の小川直文さん(39)に付き添った母親の充和(みつわ)さん(72)は「釣りは道具や技術もいるので機会がなく、参加するのを心待ちに」と楽しんでいた。右京区の木下淳仁(じゅんと)さん(22)・敦之さん(58)親子は「参加は何度目か。いつも全然釣れなくて残念ですが、親子の触れ合いになるし、子どもの振る舞いに成長を感じられるのでうれしい」と釣りざおを握っていた。  京都府磯釣連合会の澤近公次郎会長(56)は「今年はアジの釣れ具合が少なかった」と話し、全体の釣果は少なめだったが、50センチ級のチヌも交じり、表彰式では獲物の計量と採寸結果に従い上位入賞者に釣りざおなどの賞品が贈られた。


 主な協力団体は次の通り。

【後援】京都府、宮津市、宮津市社会福祉協議会、KBS京都
【協力】日本釣振興会近畿地区支部・京都府支部、全日本釣り団体協議会、京都府磯釣連合会、MFG、GFG、京都府漁業協同組合
【協賛】アサヒフーズ、がまかつ、東レ・モノフィラメント、ハヤブサ、マルキュー、マルゴ