ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
ともに生きる

歳末ふれあい募金

個人、学校、企業、団体から
集まった善意、地域で活用

昨年度は1416件、2980万円
30日から受け付け(23/11/27)



 京都新聞社会福祉事業団は恒例の「歳末ふれあい募金」を30日から12月28日まで受け付ける。1965年度から始まった募金は毎年、個人をはじめ学校や企業、宗教団体などから善意が寄せられ、昨年度は1416件、2980万円が集まった。寄付金は、京都府、滋賀県の福祉施設・団体への設備助成や活動を支援する事業、訪問介護支援、障害のある人の工賃増への取り組みや就労支援、子育て応援など地域福祉の充実に活用されている。

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座った姿勢を保つのに有効活用されているティルト&リクライニング介助型車いす(11月16日、長岡京市)
 社会福祉法人「和楽会」(和束町)が長岡京市で運営する地域密着型特別養護老人ホーム「ともおか」には昨年度、座面や背もたれ部分が立てた位置から水平まで細かく調整できるなど多機能のティルト&リクライニング介助型車いす1台が贈られ、29人が入所する同ホームで有効活用されている。

 80歳女性らの介助に当たるスタッフの松田要さん(22)は「アームサポート(ひじ当て)などが取り外しでき、ベッドから車いすに移る時や機械入浴する際などに、安全を確保しながら、安心感も増してスムーズに移乗できる。足でブレーキを操作できるなど介助者も助かります」と話す。

 施設長の四方真美さん(55)は「家庭でいたような当たり前の暮らしを長く送っていただけるよう工夫している。病状や背中の形状に応じて細かく調整できるので、楽な姿勢でしっかり起きていられる時間が確保できる」と話す。

 子育て応援事業では、京田辺子育て支援者ネットワーク「おててつないで」が、JR京田辺駅近くの市商工会館キララホールで10月に開いた無料の催し「ハッピーサロンおやこでヴァイオリンの生演奏を楽しもう」の会場費などに充てられた。当日は乳幼児と保護者ら45人が来場。地元ゆかりの奏者山下奈緒美さんがクラシックやディズニー音楽を演奏した。子どもが弾くような小さなサイズの楽器を弾く体験も好評だった。同ネットワーク代表の畠山智子さん(66)は「生演奏を親子で聴ける機会を設けようと企画。ふれあい遊びも交え、リラックスしてアットホームな感じで楽しんでもらえた。交通の便のいい会場を借りるのに支援金が役立った」としている。

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小さな子どもの親子らがバイオリンの生演奏を楽しんだ「ハッピーサロン」(10月14日、京田辺市=提供写真)
 募金は同事業団や京都新聞滋賀本社・支社・総支局、京都新聞販売所、または振り込み、現金書留で受け付ける。京都銀行、京都中央信用金庫、京都信用金庫の協力で、窓口に設置のの専用用紙での振り込みは手数料免除になる。所得税額控除など税優遇もある。

 問い合わせは同事業団075(241)6186まで。