2020.12.21
2020.12.21
「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。
関西大教授 所 めぐみ
勤務校では秋学期からは一部の多人数の講義クラスを除いてほとんどの授業が教室での対面授業にもどった。ゼミでは、もちろん距離を保ちながらではあるが、できるだけ学生さんたちが自分たちで考え、そのために議論し、体も動かしたりできるよう、いつも以上に学生さんたちにある意味「任せる」ようにした。
ホワイトボードを活用して、自分たちの議論を見える化、記録として写真をとってゼミのグループラインで共有する。ゼミの時間外にもゼミの時間にやることの確認や、アイデアだし、各自分担した作業の成果や報告が共有される。後から見てもよい記録となっている。
例年であれば年に何度かフィールドワークで訪れる和歌山県の有田市にはまだ一度も行くことができていない。7月には地域課題を探求する高校生たちとオンラインで交流した。秋学期はさらに準備を重ねて、つい先日、小学6年生と交流授業を行った。春学期のオンライン授業の経験を通じて身につけたオンライン上の対面・非対面でのさまざまなコミュニケーション手段は、しっかりといかされている。クイズ形式でのアイスブレイク、それぞれの地域を知ることができるプレゼンテーションとクイズ、グループに分かれてのお話のコーナーなど、楽しく学びあえるプログラムだった。やるな、学生さんたち。
いつも私たちを学校や地域の方々とつないでくださる地元の有田市社会福祉協議会の職員さんが早速ブログ(未来への希望福祉の種まき)でその様子を伝えてくれた。すると7月に交流した高校生たちのその後の活動も紹介されている。地元のスーパーの店長、病院の看護師や医療ソーシャルワーカー、大学生、介護現場、公民館長、保育所。コロナ禍にあってどのようにそれぞれが生活しているのか、高校生たちは直接インタビューをしている。そのやり取りから、その場にいなくても気づきをもらえる、つながりを感じる。高校生も社協もやるな。
ところ・めぐみ氏
1967年生まれ。同志社大文学部社会福祉学専攻卒。関西大人間健康学部教授。専門は地域福祉方法論、福祉教育。