ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

こころを届ける

2024.07.15

  • コラム「暖流」

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

僧侶・歌手 柱本 めぐみ

10年前に企画を始めた「父の日チャリティーコンサート」。チャリティーと銘打ってはみたものの、寄付の集め方も、どこに寄付をしたらよいのかも分からない状態でしたから少々無謀な計画だったかもしれません。それでも多くのご縁、ご支援のおかげで今年も開催することができました。

毎回、皆さまからのご協力金と広告料を児童養護施設や視覚障害者施設、また、社会支援活動をされているNPO団体や子ども食堂にも些少(さしょう)ながら運営資金をお届けしています。そして、本年は病気の子どもさんのための施設に寄付を考えていたところ、重い病気と向き合う子どもに付き添うご家族のための施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス 京都」の開設資金を集めていることを知事から伺いましたので、協力させていただくことにしました。

私事ですが、家族のうちの2人が同時に入院していた時期がありました。治療はお医者様にお任せして、私は病人の気持ちに寄り添うことだけをこころがけていましたが、明日の見えない日が長期にわたりますと、正直なところいつか自分が折れてしまいそうな不安が渦巻いていました。そんな私の支えになったのは、病気と関係のない他愛(たわい)ない会話だったり、一緒に食事ができる人があったりしたことでした。それを思い出したとき、ご家族が滞在できるという新しい施設の中で、笑顔で会話が交わされる景色が想像できました。

私たちの社会は一見豊かで活発に動いているように思われますが、常にどこかで不安を抱きながら生きている方があるということ、それを和らげることができるのは、やはり人のつながりだということを、チャリティー活動を通して再認識させていただいています。

ご協力いただいている皆さまのあたたかなこころを寄付という形でお届けし、それが誰かの笑顔になればと願っています。私がいつまで歌えるか分かりませんが、この活動は続けたいと思っています。

10年前に企画を始めた「父の日チャリティーコンサート」。チャリティーと銘打ってはみたものの、寄付の集め方も、どこに寄付をしたらよいのかも分からない状態でしたから少々無謀な計画だったかもしれません。それでも多くのご縁、ご支援のおかげで今年も開催することができました。

毎回、皆さまからのご協力金と広告料を児童養護施設や視覚障害者施設、また、社会支援活動をされているNPO団体や子ども食堂にも些少(さしょう)ながら運営資金をお届けしています。そして、本年は病気の子どもさんのための施設に寄付を考えていたところ、重い病気と向き合う子どもに付き添うご家族のための施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス 京都」の開設資金を集めていることを知事から伺いましたので、協力させていただくことにしました。

私事ですが、家族のうちの2人が同時に入院していた時期がありました。治療はお医者様にお任せして、私は病人の気持ちに寄り添うことだけをこころがけていましたが、明日の見えない日が長期にわたりますと、正直なところいつか自分が折れてしまいそうな不安が渦巻いていました。そんな私の支えになったのは、病気と関係のない他愛(たわい)ない会話だったり、一緒に食事ができる人があったりしたことでした。それを思い出したとき、ご家族が滞在できるという新しい施設の中で、笑顔で会話が交わされる景色が想像できました。

私たちの社会は一見豊かで活発に動いているように思われますが、常にどこかで不安を抱きながら生きている方があるということ、それを和らげることができるのは、やはり人のつながりだということを、チャリティー活動を通して再認識させていただいています。

ご協力いただいている皆さまのあたたかなこころを寄付という形でお届けし、それが誰かの笑顔になればと願っています。私がいつまで歌えるか分かりませんが、この活動は続けたいと思っています。

はしらもと・めぐみ氏
京都市生まれ。京都市立芸術大卒。歌手名、藤田めぐみ。クラシックからジャズ、シャンソン、ラテンなど、幅広いジャンルでのライブ、ディナーショーなどのコンサートを展開。また、施設などを訪問して唱歌の心を伝える活動も続けている。同時に浄土真宗本願寺派の住職として寺の法務を執り行っている。