2022.12.26
2022.12.26
発達凹凸っ子の保護者交流会ポレポレ
京都市伏見区の空き店舗で11月下旬の休日、「発達凹凸(おうとつ)っ子の保護者交流会ポレポレ」の集いが開かれ、数組の親子とボランティアら合わせて十数人が、ゲームや大型ペインティングを楽しんだ。
同会は発達障害や学習障害、そのグレーゾーンの幼児や児童の当事者家族の会。会代表で京都市在住の粟絵美さん(40)の呼び掛けで3年前に結成された。「組織が大きいと少し敷居が高い感じにもなる」と、だれでも自由に参加できるよう、今は5人のメンバーで小規模に運営している。団体名の「ポレポレ」は、東アフリカのスワヒリ語でゆっくりという意味。子どもたちの成長を「ぼちぼち、のんびり見守っていこう」という趣旨でつけた。
中京いきいき市民活動センターなどを会場に月1度、交流会を開く。「孤育て」にならないよう、いつも自己紹介から始め、子どもが利用できる福祉サービスの情報交換や専門家の話を聞くなどの活動で支援している。粟さんは「親同士が共感しあって話し合える場、明日からも元気でいようと思える場つくりが目標」と言う。
粟さん自身、他府県から京都市に来て、発達障害の子がいたことで、気軽に交流できる友達が少なかった。会の参加者から「自分の子どものようすを医師や福祉関係の人以外にも、率直に話せることがいい」という声を聞くと、「状況や気持ちが分かり合える人たちとの交流ができる場ができてよかった」と再認識するという。
年に何度かは臨床発達心理士や発達相談員を招いた交流会も開く。家庭教育の本を紹介したり、児童相談所の精神衛生の医師ら専門家に相談するようアドバイスすることもある。
「福祉制度や施設も増え、障害を率直に話せ、抵抗なく受け入れられるようになってきたと思う。ただ運用面では個別に違いも出てくる。放課後等デイサービスの利用の仕方や、就学前に総合支援学校か育成学級かどちらにするのがいいかと迷うような時に、ヒントを出し合うこともある」と粟さんは話す。
交流会参加者からは「障害児にやさしい歯医者さんの情報や子どものトイレトレーニング、学校の先生にどんな風に相談したらいいかのノウハウ、前向きに子どもと向き合う気持ちの持ち方など、当事者同士の身近な体験談が聞け、それが役立つ」という反応も多い。
「保護者が元気がないと子どもも元気が出ない」との思いから、親子のつながりの場をつくることも心掛ける。年に一度は下京区の梅小路公園で、数家族が親子で遊ぶ会も開く。今年11月の会は雨で屋内になったが、畳ほどもある大きなキャンバスを子どもらも協力して製作し、水彩絵の具で思い思いの絵を描いたり、手形をおしたりした。家族ぐるみの参加が2組あったが、粟さんは「こういう会は母親だけの参加が多い。父親にもっと参加してもらえる工夫をしたい」とまだまだ意欲的だ。
発達凹凸っ子の保護者交流会ポレポレ
2019年に発足。月1回、2時間の交流会は参加自由。公式LINEで交流会の予告などを行っている。連絡は粟さんkouryuu.porepore@gmail.com