2021.04.05
2021.04.05
シッティングバレーボール
「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。
「シッティングバレーボール」とは、その名のとおり「床に座って行うバレーボール」です。
戦争によって体が不自由になった人々のためにオランダで1956年に考案されました。日本でも97年に日本シッティングバレーボール協会(現・日本パラバレーボール協会)が設立され、国内でも大会が開催されています。
バレーボールといえば、ネットが高く、ジャンプしてスパイクを打つなどを想像されると思いますが、シッティングバレーボールは、床にお尻(肩からお尻までのからだの一部)をつけて、すべてのプレーを行います。そのため、ネットは低く、動きづらいのでコートは小さくなっています。その分、コート内で選手同士が近く、ボールがつながりやすく、ラリーの応酬が多くあり、スピード感あふれる競技という点が、魅力と言えます。
ルールは、6人制のバレーボールとほぼ同じですが、大きく違う点が四つあります。
まず一つ目は、座って行うこと。お尻を床につけて移動しながらボールを追いかけ、ボールを扱う時にお尻が床から離れていると反則になります。
二つ目は、コートは、横6メートル、縦10メートルの長方形で、おおむねバドミントンのコートと同じ大きさです。ネットの高さは、男子1メートル15センチ、女子1メートル051センチです。
三つ目は、相手のサーブをブロックできることです。
四つ目は、ラインクロスなどの判断が、足ではなくお尻が基準となることです。
パラリンピックなどの国際大会では、試合に出場できるのは、身体に障害のある人に限られていますが、国内では、障害の種別や有無を問わず、さまざまな人たちが大会などに出場されています。京都にも「京都おたべーず」というチームがあり、障害のある人もない人も共に練習に励んでおられます。
この競技の最大の特徴は、車いすなどの特別な用具がいらないこと。また、ボールなどを柔らかく軽いものに変更するなどの工夫をすれば、子どもから高齢者、重い障害のある人も、一緒にプレーを楽しめることです。
京都市障害者スポーツセンター(左京区高野玉岡町)では、パラリンピック正式競技でもある「シッティングバレーボール競技」の体験会を毎月1回、第4木曜日の午後7時から8時30分まで開催しています。
皆さまもぜひこの機会に、東京2020パラリンピック競技大会で実施されるこの競技を体験してみませんか。皆さまをお待ちしております。