ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

職場定着をサポート

2024.08.05

  • ふくしナウ

《 就労移行支援事業 》

事業所の面談室で就職相談受けている様子(提供写真)

 知っている人がまだまだ少ない「就労移行支援事業」は、2006年に始まった比較的新しい障害福祉サービスです。21年度末時点で全国3353事業所で3万9271人が利用しています。開始から20年近くになりようやく少しずつ知られ始めたという状態です。

 この支援事業でできることは、就職する際に抱える課題を日々の訓練を通じて改善し、どんな仕事がしたいか、どんな仕事が向いているか、どんな働き方が良いかを一緒に探し、仕事を理解するために企業見学や体験のほか面接練習や履歴書添削などのサポートと、就職後半年間の職場定着支援です。利用期間は2年を上限とし、仕事に就きたいと考えている障害者や働く上で抱えている問題を解決したいと考えていて、主治医から就労移行支援事業所の利用を勧められた18歳から65歳の方が対象となり障害者手帳が無くても利用することができます。課税状況に応じて利用料が発生しますが、ほとんどの方は無料で利用されています。支援事業所で働いている職員は一般企業の人事部門やサービス業で働いていた人、福祉事業所で働いていた人など、さまざまな社会経験をした人たちです。

 現在2・5%の障害者の法定雇用率は、26年4月には2・7%にまで引き上げられる事が決まっていて、障害者雇用は社会的に大きなテーマになっています。厚生労働省の資料では、障害者が就職し、1年後に同じ仕事をしている率(定着率)は58・4%に対し、就労移行支援事業所を利用した人の定着率は82・3%となっていて、圧倒的に就労移行支援事業所の利用者の方が高い定着率を示しています。そんな中だからこそ就労移行事業所を利用して、自身の課題を理解して対策をしている人が長期就労できる人として雇用されることが増えてきています。

 就労移行支援事業所の存在を多くの方に知っていただくため、スキルアップスマイル、ディーキャリア、LITALICOワークス(五十音順)の3事業所が合同で開催した説明会「KYOTO!就労フェア」では、支援内容や各事業所の特色を説明しました。障害について社会的な関心も高まる現在、支援事業は障害を抱える方の働き続けたい思いと、思いに応えたい企業との架け橋となる役割を担っています。

(スキルアップスマイル、ディーキャリア、LITALICOワークス)