ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

工夫次第、皆が楽しめる

2024.09.02

  • ふくしナウ

《 パラスポーツ 》

スクエアボッチャを楽しむ参加者(京都市左京区・市障害者スポーツセンター)=提供写真

 8月28日に開幕したパリ2024パラリンピック競技大会では、連日熱戦が繰り広げられました。日本から参加している選手の皆さんが、9月8日の閉会までたくさんの感動を与えてくれました。

 皆さんはパラスポーツについてどれぐらいご存じでしょうか。少し前までは、「障害者スポーツ」という表現が一般的でしたが、その表現が障がいのある人特有のものと捉えがちになるため、障がいのある人もない人も高齢者もみんな楽しめる『もうひとつのスポーツ』として最近では、パラスポーツという呼称が使われるようになってきました。

 パラスポーツでは、大きく三つの特徴があります。一つ目は、「ルールの変更」です。障がいがあることで通常のルールでできないことを緩和、変更して行います。たとえば、シッティングバレーボール競技では、立ってプレーできないことに対してネットを低く設定し、コートの大きさを狭くすることで、座ったままでバレーボールを行うことを可能としています。二つ目は、「用具の工夫」です。切断者の競走用義足や車いすランナーのレーサーといわれる競技用車いすなどは、障がいを補うだけでなく、競技性を高めることにも役立っています。三つ目は、「ならではの競技」です。パラリンピック競技でいえば、ボッチャやゴールボールがそれにあたります。卓球や水泳などは基本の競技にルールや用具を工夫して障がいのある人に適応して競技を行っています。もともとボッチャは重度の脳性まひ者、ゴールボールは視覚に障がいのある人のために考案されたスポーツです。障がいの持つ特性を競技に活(い)かすことでやってみて楽しい、見ていて面白いシーンが、「ならではの競技」にはあります。パラリンピックで行われているこれらをぜひテレビでご覧いただきたいと思います。

 国内では、ボッチャやシッティングバレーなど、障がいのない人も一緒にプレーすることができる大会も開催されています。皆さんにもパラスポーツを体験いただくことが可能です。

 京都市左京区高野にある京都市障害者スポーツセンターでは、ボッチャをアレンジした「スクエアボッチャ」という競技を新たに考案し、京都府内で普及活動を行っています。定期的に体験会も開催していますので、障がいの有無にかかわらず多くの皆さんのご参加をお待ちしています。(京都市障害者スポーツセンター)