2021.11.08
2021.11.08
京都新聞福祉活動支援
地域福祉の担い手として活動するグループや施設を応援する「京都新聞福祉活動支援」事業で、京都新聞社会福祉事業団は昨年度、京都府、滋賀県の30団体に総額501万円を助成した。「善意の小箱」や「歳末ふれあい募金」への寄付金をもとに支給しており、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている子どもや障害のある人、高齢者らを支える活動などに活用されている。
子どものための電話相談を行うNPO法人「チャイルドライン京都」(京都市山科区)は、助成金をフリーダイヤルの電話番号0120(99)7777や活動を紹介するカード30万枚の印刷費などに充てて、府内の全小中高、支援学校に配布した。
21年前から18歳以下の子どもの声を何でも受け止める活動を続けている。常任理事の松原久美さん(61)らによるとコロナ禍で感染への不安をはじめ、入学式や卒業式など学校行事がなくなることや友達と会えない、十分に話せないなどの不安、悔しさを話す子が多く、いつも以上に家族が家に長くいることで生じた問題を訴える声もあるという。
事務局長の小松澄子さん(66)は「子どもの声を聞ける大人を増やす必要もある」と話し、活動の様子を動画投稿サイトにアップしたり、ボランティア養成講座にも力を入れている。
助成金を遊具のエアマット2個の購入費に充てたのはNPO法人「子育てを楽しむ会」(宇治市)。2008年から市委託事業として同市西浦町の活動拠点「つどいの広場りぼん」で就学前の子どもと親の居場所活動などを行い、助産師や保健師、栄養士らの講座も開催している。
エアマットは大きい方で縦横約3、厚さ20。畳の部屋に置いた。跳んだりはねたり出来て人気が高く、「エアマット目当ての子や父親の参加が増えたのは思わぬメリット」と理事長の迫きよみさん(59)は笑顔で話す。
コロナ禍で里帰りできず、地域での手助けも得られないなどそれぞれの親子に影響が出た。緊急事態宣言中は広場の開催も休止に。「子育て情報をインターネットに頼り、情報不足や過多で不安が増した」と迫さん。「地域の母子が孤立せず、支えあって楽しく子育てを」と目標を再確認している。
京都新聞福祉活動支援は運営と設備両部門を設け、1団体50万円を上限に助成している。20年度はコロナ禍の影響を踏まえ、助成総額を前年度比約30%増額した。運営部門は、チャイルドライン京都をはじめ、オンライン活用費を申請した精華町要約筆記サークルとパーキンソン病支援センター(八幡市)など23団体に、設備部門は子育てを楽しむ会をはじめ、点字プリンター修理費を申請した滋賀県視覚障害者福祉協会(彦根市)など7団体に助成した。
本年度は、経済活動を支援する「工賃増へ向けての取り組み助成」とともに、今月下旬に募集を始め、選考委員会の審議を経て来年3月に贈呈する予定。