ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

地域社会とともに歩み/ 善意の輪広げ半世紀(24/08/20)

2024.08.20

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中信チャリティーゴルフ大会

地域社会の幅広い層へ支援する思いを語る京都中央信用金庫の白波瀬理事長

 京都中央信用金庫(京都市下京区)の「中信チャリティーオープンゴルフ大会」が、50回目を迎えた。取引先との親睦を深め、参加者からの善意を京都新聞社会福祉事業団に寄付を継続している。大会の草創期から携わってきた白波瀬誠理事長は、ひと中心への回帰を呼びかけるキャンペーンが原点となった足跡を振り返り、芸術家や学生、小学生など幅広い層を支援して地域社会と歩む思いを語った。

 寄付を受けた京都新聞社会福祉事業団の大西祐資理事長は、事業団設立60周年を記念した盾を同信金へ最初に贈った。手渡す際に「『ともに生きる』がスローガンです」と言葉を添えた。

 白波瀬理事長は「記念の盾第1号を受けたのは名誉なこと。われわれの思いと重なる」と共感を示した。

 1973年に始まったゴルフ大会が2回目以降にチャリティー形式になった背景には、同信金が取り組んでいた緑のキャンペーン「ミドリーノ運動」があるという。白波瀬理事長は「ひとにとって緑はやすらぎ。公害が問題化した時代に、社会全体がひと中心へと生き生きと回帰してほしい、と願いを込めた」と振り返る。

 同信金は、公益財団法人中信美術奨励基金を設けて京都美術文化賞を地元と縁のある芸術家に贈り、公益財団法人中信育英会は支援が必要な学生を援護してきた。

 持続可能な社会を目指して京都の金融機関として初となる「SDGs」宣言を2019年に公表した。「誰1人取り残さない、という原則のもと、次世代を担う子どもたちが安心して幸せに暮らせる環境づくりを目指した」(白波瀬理事長)

 「少子化という深刻な課題がある中だからこそ応援を続けたい」と白波瀬理事長が力を込めるのが、全京都学童軟式野球選手権大会への協賛だ。「中信杯」の名称で小学生と親、チームを応援する地域住民に定着し、プロの大舞台へ羽ばたく選手も輩出した。

 また、能登半島地震の復興を支援するため、金利相当分の一部を同信金が負担して寄付する独自の定期預金に基づく取り組みを2月から始めている。

 同信金は、社是の冒頭に「地域社会の発展に寄与する」と掲げる。白波瀬理事長は「得意先を支援することは、地域の活性化や福祉の向上につながる。『ともに生きる』の思いで互いに努力していきましょう」と述べた。

1974年からチャリティー形式になったゴルフ大会(大津市内)=提供・京都中央信用金庫
京都新聞社会福祉事業団は「ともに生きる」と刻んだ盾を贈った