ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

体験や出会いの場支え/パラスポーツ振興(24/09/10)

2024.09.10

  • わたしの現場

猪飼 聡(いかい さとし)さん

 利用者の年齢層は、時代とともに変化している。高齢化が進み、「スポーツがやりたくて」というよりも、「病院ですすめられて」「健康のために」通い始める人も目立つようになった。「最初は積極的な気持ちではなくても、通ううちに仲間ができて楽しくなってこられる」。人とのつながりができ、居場所になっている人も多い。
 放課後デイサービスの活動として、知的障害のある子どもが利用することも増えた。センター内にも放課後等デイサービス「ぱらすぽ」を開設し、空いている時は施設を使うことができる。ただ、若い世代の利用は減っている。「ネット環境が普及して楽しいことが他にあるせいか、なかなか若者にスポーツの魅力が伝わらない」。毎年開催される全国障害者スポーツ大会に参加する選手の発掘も大きな仕事で、若者にスポーツの魅力を感じてもらえる方法を模索している。
 「障害のある人のスポーツが一般的なスポーツと違うのは、機会をつくらなければ広がらないところ」。実感しているのは、地域のスポーツ振興や体験してもらえる機会を増やすことの重要性だ。イベントも開催するが、センターだけがにぎわったらいいわけでもない。「来られるのを待つのではなく、まずは地域でスポーツに親しんでもらうことが、センターの大きな役割」。センターを拠点に、各地域にサテライトをつくる意識で、地域の団体とのコミュニケーションにも力を入れる。
 もう一つ感じるのは、「支える人の力が欠かせない」ということだ。健康や安全に配慮してスポーツの魅力を伝える障害者スポーツ指導員や、登録ボランティアが増えてくれることも願う。「支える活動に関心のある人は、スポーツの経験がなくても、ぜひ関わってほしい」。地域で多くの人がパラスポーツに親しみ、同センターは活気にあふれる。そんな日常を思い描いて、日々奮闘する。
(フリーライター・小坂綾子)