ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

新規ドナー確保が急務

2024.11.04

  • ふくしナウ

《骨髄バンク》

 骨髄バンクという言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、中身を知らない方も多いのが実情です。骨髄バンクは白血病など血液疾患患者への治療法の一つに骨髄移植という治療法があります。骨の中にある骨髄液から血液が作られているのですがその骨髄液を健康な方から患者さんへ移植することで治癒を目指すものです。
 しかしながらHLAという白血球の型が合わないと移植できません。兄弟間で4分の1、他人同士なら数百~数万分の1という確率になります。日本で公的バンクが生まれ、ドナーのHLAとマッチングして多くの患者が救われてきました。
 ドナー登録は一部の保健所や献血ルーム、献血バス等で登録が可能で内容を理解し申込用紙に記入した上で、2ミリリットルの採血にて完了できます。年齢が18歳~54歳までの健康な方でしたら登録は可能です。そうして登録している方は日本では55万人を超えました。設立当時は3万人を目指そうといっていた時代からすると隔世の思いがします。現在、登録者の人口分布は50代以上が多く、毎年2万5千人以上の方が年齢超過で抹消となり、新規ドナーの確保が急務となっています。

滋賀骨髄献血の和を広げる会の総会で現状を報告する片岡智一会長=提供写真

 白血病の中でも急性リンパ性白血病・急性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群など多岐にわたる血液疾患の方の治療法として確立してきました。しかし、患者が骨髄移植を受ければ必ず治る保証はないですが生きるための最終手段の一つとして骨髄移植が用いられています。
 全国に1700人近くの患者さんが今もドナーが現れるのを待っておられますが、提供に際しては仕事を休まないといけなかったり、家族の反対にあったりとさまざまな理由から患者さんの半分強の方しか移植を受けられない実情があります。
 そうしたハードルを下げられるように「滋賀骨髄献血の和を広げる会」では新規ドナー登録確保しつつドナー個人やドナーの勤務先に助成金を支給する支援事業を広げており、2023年度より滋賀県下19市町すべてこの助成制度が確立いたしました。またドナー休暇制度の拡充も図っております。
 多くのドナーを集めるのはほとんど登録説明員というボランティアですがとても不足しております。ボランティアが減るとドナー登録会も開催できません。安定した登録者数を確保することが安心を与えられると思い日々活動をしております。
(滋賀骨髄献血の和を広げる会 片岡智一会長)