ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

特性に合った仕事大切 中京 障害者の就労支援でシンポ

2025.02.19

  • シンポジウム「障害のある人の就労支援」

 障害のある人の就労支援を考えるシンポジウムが16日、京都市中京区の京都新聞文化ホールで開かれた。ビルメンテナンス業「ワタナベ美装」(山科区)の渡邉真規(まさのり)社長らが講演し、丁寧なマッチングと特性に合わせた仕事を考える大切さを伝えた。
 ワタナベ美装は支援学校や児童養護施設から実習を幅広く受け入れ、精神や身体に障害のある4人や元ひきこもりの人を雇っている。渡邉社長は「障害に関わらず、誰でもできること、できないことがある。支援組織と連携して特性に合わせた仕事の仕組みに変えれば、できないことができるようになる」と語った。短期記憶が苦手という当事者の若手社員は「就職先で悩んでいたが、実習時から親身に接してもらい、安心して入社することができた」と話していた。
 自閉症の息子を育てる京都中小企業家同友会の芳賀久和理事は、自ら立ち上げた企業主体の障害者就労支援組織「CoCoネット」について説明した。障害者雇用のメリットについて「企業は仕事の洗い出しをすることで業務が効率的になり、社内の風通しが良くなって離職率が低下するケースが多い」と述べた。
 京都新聞社会福祉事業団の主催。企業や福祉事業所、当事者の家族ら約110人が参加した。(古市大)

障害のある人の就労支援について当事者や企業経営者が講演したシンポジウム(京都市中京区・京都新聞文化ホール)