ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

障害者長期就業へ支援

2025.03.03

  • ふくしナウ

《ジョブコーチ》

 

 現在の障害者の法定雇用率は2.5%ですが、2026年7月には2.7%へ引き上げられる予定です。障害のある方の雇用を進めるうえで、「採用できたが職場に定着しない」「どのように働いてもらえばよいのかわからない」といったお悩みをお聞きします。こうした課題の解決を支援する制度の一つが、「ジョブコーチ(職場適応援助者)制度」です。


 ジョブコーチは、障害のある方と企業を支援し、長期定着に向けた環境調整を行います。働く方には業務の進め方や職場環境への適応方法などをサポートし、企業には職場環境の整備や適切な指示の出し方などを一緒に検討し、双方にとって働きやすい環境を整えていきます。

 この制度には、「配置型」「訪問型」「企業在籍型」の形態があります。配置型と訪問型は、障害者職業センターや就労移行支援事業所などのスタッフが企業に赴いてサポートを行います。企業在籍型は、人事担当者、上司や同僚などの社員が障害者職業センターの実施する養成講座を受講し、障害のある方を支援する仕組みです。

さまざまな方法で障害のある方の長期定着をサポートする=提供写真


 利用対象は、障害のある方を雇用している、または検討している企業です。双方の合意があれば、雇用前・雇用後を問わず利用することができます。支援期間は標準的に2~4カ月ですが、状況に応じて1~8カ月の範囲で設定され、訪問型による支援では、最長1年8カ月(精神障害のある方の場合は最長2年8カ月)まで延長が可能です。最終的には上司や同僚が、自然なかたちで見守り、支える体制・環境(ナチュラルサポート)により、安定して就業を継続していくことができる状態を目指します。

 利用するには、まず近隣のハローワークや障害者職業センターに連絡をし、現在の課題や改善したい点などを伝えます。専門スタッフが詳細を確認した後に支援が開始され、働く方と企業の双方が円滑に業務を進められるようサポートが始まります。

 費用についても、多くの場合は国や自治体の助成を受けられるため、企業の負担はほとんどありません。詳細な補助内容については、ハローワークや障害者職業センターに問い合わせることで確認できます。

 厚生労働省の資料によると、ジョブコーチ支援を受けた場合の6カ月後の職場定着率は89.3%に達しており、支援を受けなかった場合と比べて大幅に高い数値となっています。

 働きやすい環境を整えることは、企業の成長にもつながります。制度を活用し、誰もが活躍できる職場づくりを目指してみてはいかがでしょうか。

(就労移行・就労定着支援事業所スキルアップスマイル 新宮尚樹)