2025.03.17
2025.03.17
第20回京都手話フェスティバル
「未来」テーマにスピーチ、交流
聴覚障害者問題への関心を高め、手話スピーチで生き生きと語る機会として「京都手話フェスティバル」が2月23日、京都市中京区の京都新聞文化ホールで開かれた。第20回という節目を記念して特別賞が贈られ、海外でも公演した「ホワイトハンドコーラスNIPPON京都チーム」が元気いっぱいにパフォーマンスを披露した。
京都府聴覚障害者協会と京都新聞社会福祉事業団が主催した。
一般の部にはサークルや地域団体などで手話を学ぶ11組、高校生の部には3人が「未来に向けて」などのテーマに沿って、子どもの部は自由テーマで8人が手話でスピーチした。
一般の部で最優秀賞に選ばれたのは英語講師下田奈都子さんだった。英語教室でのコーダと呼ばれるろう者の母をもつ生徒が体験レッスンを1人で受けたエピソードがきっかけで手話を学ぶようになったという下田さんは「私の教室にろう者のお母さんとコーダの子が来たら、全部手話で説明をしたい。お母さんと直接話したい」と目標を語った。
難聴の夫婦ともに手話を習っているという88歳の小野昌宥さんは特別賞に輝いた。「朝起きて笑顔でオハヨーと手話で声をかけます。100歳まで元気で習い、いつまでも手話を使って夫婦がなかよくともに暮らしていきたい」とスピーチすると客席からひときわ大きな拍手がわいた。
高校生の部で最優秀賞に選ばれた京都八幡高の山下心優さんは、ボランティア活動で子どもと接した体験にもとづいて「将来は作業療法士になり、障害のある人が少しでもすごしやすい環境づくりをしたい」と夢を伝えた。
一般の部と高校生の部では他にも次の皆さんが入賞した。

【一般】優秀賞 荻野志穂▽京都新聞社会福祉事業団賞 山花晴喜【高校生】優秀賞 長井優奈。
子どもの部の8人には記念品が贈られた。
審査委員長の吉田航・京都府聴覚障害者協会会長は「テーマの『未来』からとても元気をもらった」と講評したうえで、特別賞について「100歳までがんばるという小野さんに負けない気持ちを私たちも抱き続けたい」と敬意をこめてたたえた。
アトラクションで登場したホワイトハンドコーラスNIPPON京都チームは、障害のある子もない子も参加する。手話言語をベースに表現する「サイン隊」と合唱の「声隊」が、北区の寺院や京都女子大を拠点に練習している。発表の機会は京都市など国内にとどまらず、オーストリアの首都ウィーンで公演したこともある。
この日は「だれにだってお誕生日」「花は咲く」などのレパートリーを、時には客席まで降り立つパフォーマンスや明るく豊かな表情、手や体全体の動きを交えて表現した。
