オーシャン貿易会長の寄付活用　福祉車両　１台目を寄贈

京都新聞社会福祉事業団　障害者福祉の法人に

　京都新聞社会福祉事業団は、貿易商社のオーシャン貿易（京都市中京区）の米田多智夫会長（８４）から受けた多額の寄付を基に福祉車両を購入し、２１日に京都新聞社（同）で１台目の贈呈式を開いた。車両は「オーシャン号」と名付け、京都と滋賀で活動する福祉施設や団体などに寄贈する。
　米田さんは昨年、地域福祉などに役立ててほしいと個人で５千万円を寄付。同事業団は３千万円で福祉車両など８台を購入する計画だったが、米田さんから追加で車両１台の寄付があり、「０号車」として地元で長く活動する社会福祉法人・京都障害者福祉センター（南区）に贈った。
　贈呈式に出席した米田さんは「有効かつ安全に使ってほしい」と願った。同センターはデイサービスを提供する市洛南身体障害者福祉会館（同）で送迎などに活用する予定で、前田文男理事長は「利用者の高齢化が進み、各家庭での送り迎えが難しくなる中で非常に助かる」と喜んだ。
　同事業団は今月、米田さんの名を冠した基金を設立した。車両の寄贈と給付型の奨学金事業に取り組む。残る車両８台の寄贈先は５月上旬から公募する。（柿木拓洋）