ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

親子で音楽に親しむ 充実した催しの一助に 育児中のリフレッシュにも 今年度申請30日まで  (25/05/26)

2025.05.26

  • 子育て応援事業
  • 京都新聞子育て仲間を応援
  • 京都新聞子育て事業助成

子育て応援事業

 京都新聞社会福祉事業団は毎年、京都府、滋賀県で工夫を凝らして子育てに取り組むグループに助成する「子育て仲間を応援」と、催しなどを支える「子育て事業助成」を行っている。2024年度はこんな支援を行った。

 京都市南区を拠点に活動する団体「空き家バンク京都子ども食堂」は昨年8月、京都市下京区の「ひと・まち交流館京都」で、文化体験事業として京都フィルハーモニー室内合奏団のメンバーを招いたコンサートを開いた。「子育て事業助成」は会場費や出演者費用などの一部に充てられ、未就園児や小学生の親子など約100人が参加し、昼食弁当も配布した。

 担当した井上久美さん(40)は「私たちは普段は食を中心にした子育て支援活動を続けていますが、今回はプロの演奏を聴き、バイオリンなどの楽器にもじかに触れることができる貴重な体験でした。このような支援が得られれば、親子で楽しんでもらえ、豊かな経験となるような事業を、続けていきたい」と今後への抱負を抱いている。

京田辺市内で開かれた舞台「親子deミュージカル」に、鑑賞した親子も大喜びだった(2024年12月)=提供

 子どもを対象に音楽や美術で次世代育成活動を続ける京田辺市のグループ「fam farm」は、昨年12月、同市内で幼児から小学生など子育て中の親子を対象にした「親子deミュージカル」を開いた。生で歌や楽器演奏を楽しんでもらおうという舞台で、約70人が鑑賞した。

 メンバーの一人、大谷智子さん(54)は「助成支援金は会場費やチラシ費用、出演など協力を受けたグループの謝金などに役立った。母親も楽しめる舞台となり、リフレッシュできたとの声が多く寄せられた。今後も機会があれば同じような舞台を企画したい」と話している。

 「仲間を応援」助成を受けた団体「梅津・北梅津地域子育てサロン」は、右京区の梅津児童館と梅津北児童館を会場に、幼児と母親の心身のリフレッシュと楽しみを目的にした催し「ちょっと来てみませんか」を隔月で合計6回開いた。代表の梅谷理江さん(46)は「助成金はチラシやポスター制作費と講師の礼金の一部に充て役立ちました。合計で90人ほど参加していただき、リズム遊びや体操などで親子ともに心身をほぐしてもらい、笑顔で帰ってもらうなど充実した催しになりました」と手ごたえを語っている。

 同じく「仲間を応援」助成を得た京都市伏見区のグループ「ひとつながり」は、代表の酒井美夢さん(40)の家を主な会場に、乳幼児など子育て中の母親を支援する催し「ママの居場所づくり」を月に2回ほど合計20回余り開き、延べ約90人が参加した。酒井さんは「私自身も母親の立場でうちとけて、おしゃべりしながら互いの思いを共有し、ひと息つける場所にできたのがよかった。今後も継続していきたい」と言う。

 24年度は「子育て仲間を応援」で80団体(京都市内15、府内34、滋賀県内31)に一律2万円総額160万円を、「子育て事業助成」で15万円を上限に計13事業(市内4、府内4、県内5)に総額83万5千円を助成した。25年度の申請は30日まで受け付けている。