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天皇盃 全国車いす駅伝競走大会

 全国から車いすを利用する障害のある人が京都に集まり、京都国際会館前をスタート地点とし、たけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)をフィニッシュとする5区間21.3キロのコースで競います。1990年2月25日に、第1回大会が都大路を舞台に始まりました。大会には高松宮妃殿下も臨席され、選手やボランティアたちの温かい交流の場にもなっています。京都府、京都市、日本パラスポーツ協会、京都新聞などとの共催事業で、優勝チームには天皇盃が贈られます。

主催:全国車いす駅伝競走大会実行委員会

【京都府、京都市、(公財)日本パラスポーツ協会、(一社)京都府身体障害者団体連合会、(公社)京都市身体障害者団体連合会、(福)京都府社会福祉協議会、(福)京都市社会福祉協議会、(公財)京都府スポーツ協会、(一社)京都障害者スポーツ振興会、ユース21京都、京都新聞、(公財)京都新聞社会福祉事業団】

運営協力:(一財)京都陸上競技協会

コース : 国立京都国際会館前(左京区)→たけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場・右京区)までの5区間21.3キロのコースで天皇盃を目指して競います。

天皇盃全国車いす駅伝競走大会オフィシャルサイト

2024年度の取り組み

★2025年3月9日(日)に開催しました天皇盃第36回全国車いす駅伝競走大会は無事終了しました。

天皇杯第36回全国車いす駅伝 東京 最終区で逆転V 若手に勢い 福岡Aとの激闘制す

 天皇杯第36回全国車いす駅伝は9日、国立京都国際会館前からたけびしスタジアム京都までの5区間、21・3キロで行われ、東京が47分41秒で2年ぶり3度目の優勝を果たした。
 東京は1区3位から2区渡辺、3区遠山の連続区間賞で先頭を奪った。4区で一つ順位を落としたが、5区樋口が区間賞の力走で福岡Aを逆転した。前回優勝の福岡Aは1区渡辺と4区洞ノ上(ほきのうえ)が区間賞を獲得して一時トップに立ったものの、わずかに及ばず2位だった。3位は大分A、4位は岡山。5位に京都Aが入り、京都Bは18位だった。

 先に出た福岡Aの大津とは8秒差。それでも東京のアンカー樋口は「捉えられる」と確信した。パラリンピックに3度出場経験があるベテランのスピードは衰えていない。すぐに併走すると、五条通の手前でスパートをかけて独走態勢で競技場へ。大歓声の中で「大会への感謝を込めた」と、両手を掲げてゴールテープを切った。
 エースが集まる1区は31歳の西が3位と好発進した。2区はチーム最年長57歳の渡辺主将が、大分Aのマッカーサーと抜きつ抜かれつのデッドヒートに。残り数十メートルで「負けたくない」と気持ちで1秒前に出て2位でつないだ。先頭の福岡Aとの差を1分から13秒まで縮め、初の区間賞に「優勝と同じくらいうれしい」と破顔した。
 大先輩の奮起に、若手が勢いづいた。「思ったより早くて焦った」。チーム最年少19歳の3区遠山は一瞬戸惑ったが、「すぐに抜け出そう」と決断。体重の軽さを生かし、得意の上り坂でトップに躍り出て区間賞の走りで引き離した。
 29歳の4区佐々木は終盤に福岡Aのパラリンピアンにかわされたが、約3キロの上り坂で猛追に耐えるなど区間2位の力走。最後の樋口の逆転につなげた。
 「今年は追い込むと決めていた」という佐々木をはじめ、遠山、西ら若手が大きく成長。2月下旬、全員がそろった最後の練習会で、選手らは優勝の手応えを感じていた。1区で7度も区間賞を獲得している樋口は、西にエース区間を譲った。3年後のロサンゼルス・パラリンピックを射程に捉える遠山は「今後は自分が(チームを)背負っていかなきゃ」と自覚を口にした。(有賀光太)

「途中までは完璧」

 ○…福岡Aの1区渡辺主将は2年連続で区間賞を獲得したが狙っていた区間記録(11分19秒)の更新は果たせなかった。「風が味方してくれなかった。レースは生き物なので、いろいろ条件がそろわないと先輩方の記録は超えられない」と苦笑した。チームも2連覇を逃したが、「(4区でトップに立つ)途中の展開までは完璧だった。あとは相手を褒めたい」と拍手を送った。
 4区洞ノ上は自身11度目の区間賞で貫禄の走りを披露。「まあまあベストの走りができたと思う。今後も区間賞を量産していきたい」と明るい表情で話した。(後藤創平)

京都A5位「何とか」入賞死守

 「何とか死守できました」。京都Aのアンカー中井主将は5位でゴールテープを切った後、関監督と笑顔で握手を交わした。主力2人をけがで欠く緊急事態の中、第1回大会から参加して過去1度しか逃したことがない入賞ラインを守った。
 1区野村は「今の自分ができる走りは出しきれた」と、冷静にペースを乱さず第3集団に付けて7位でつないだ。2区佐野も「必死のパッチでこいだ」と順位を維持した。
 チームの底力を見せたのは3区から。中田は想像以上の向かい風の中、「ペースを守ることだけ考えた」と懸命に腕を回した。序盤で静岡を振り切り、6位で4区の寒川へ。2004年アテネパラリンピック銅メダルの実績を持つ56歳のエースは、西大路通に入ると「遠くに見えた」という佐賀を下り坂で捉え、5位に浮上した。中井は最後まで気を抜かず、競技場でも全力で車輪を回し続けた。
 第1回大会から率いた坂野前監督の後を受け、今回から指揮を執る関監督は重圧から解放され「結果が出てやっとほっとした。本当にみんなが頑張ってくれた」。緊急事態でも一丸となってつないだ選手の奮闘を思い、涙をこらえきれなかった。(辻孝典)

出場危機乗り越え完走

 ○…京都Bは18位という結果にも、第1回から続く連続出場を守り抜いたことに安堵(あんど)した。選手兼監督の沢村は「歴史を途切れさせるわけにはいかなかった。ゴールまで来ることは最低限果たせた」と意義を語った。
 京都Aの主力がけがで抜けた影響で中田、佐野がAに入り、京都Bはメンバーが足りず出場が危ぶまれた。だが2区にコーチの有本が入り、監督の沢村がアンカーを務めて参加にこぎ着けた。有本は約3週間と短い準備期間ながら懸命に練習を重ねた。初めての都大路で「声援がすごくてあと一押しの力になった。参加できて光栄」と沿道の人々に感謝した。

天皇杯第36回全国車いす駅伝成績

 (1)東  京(西、渡辺、遠山、佐々木、樋口)        47分41秒
 (2)福岡A(渡辺、松本、田中、洞ノ上、大津)        48分 7秒
 (3)大分A(河室、マッカーサー、笹原、広道、山口)     50分26秒
 (4)岡  山(生馬、山本、仲泊、松永、豊田)        51分 6秒
 (5)京都A(野村、佐野、中田、寒川、中井)         57分 7秒
 (6)兵  庫(萩原、赤井、大西、枝川、吉野)        58分34秒
 (7)長  野(金児、宮坂、長崎、青木、中田)        59分 8秒
 (8)北信越ブロック(木ノ本、細川、服部、寺島、伊藤) 1時間 1分40秒
 (9)佐  賀(百武、松尾、山北、内田、脇山)     1時間 1分56秒
(10)静  岡(松永、鈴木、市野、桜井、海野)     1時間 3分32秒
(11)愛  媛(西岡、浜田、佐伯、山口、石田)     1時間 4分 0秒
(12)大分B(渡辺、城、塩地、笹原、小玉)       1時間 4分55秒
(13)愛  知(大橋、尾原、吉村、山口、藤島)     1時間 5分58秒
(14)熊  本(岩下、原、津崎、安達、山本)      1時間 7分49秒
(15)福岡B(印具、黒沢、辻野、和気、片平)      1時間13分57秒
(16)埼  玉(田口、長谷川、清水、川崎、佐々木)   1時間16分17秒
(17)鹿児島(荒平、前田、大迫、黒木、新地)      1時間16分27秒
(18)京都B(馬場、有本、池田、杉本、沢村)      1時間17分58秒

 【区間1位】▽1区(6.4キロ) 渡辺勝(福岡A)11分37秒▽2区(2.8キロ) 渡辺敏貴(東京)ブレット・マッカーサー(大分A)7分13秒▽3区(2.4キロ) 遠山勝元(東京)6分49秒▽4区(5.7キロ) 洞ノ上浩太(福岡A)11分37秒▽5区(4.0キロ) 樋口政幸(東京)8分58秒

 3位の大分A・河室主将「最低でも表彰台と思っていたので何とか大分に帰れる(笑)。2区区間賞のブレットが盛り返してくれた。自分は初めての1区で、コーナーで減速し過ぎた。来年は一つでも上を狙う」
 8位に初入賞した北信越ブロック・5区伊藤(パリ・パラリンピック陸上男子100メートル車いすT52代表)「思ったより走れて2人を抜けた。良い仕事ができた。みんなで最後までつなぎ、楽しかったと感じたら成功だと思う」

両手を挙げて1位でゴールする東京のアンカー樋口(たけびしスタジアム京都)=撮影・三木千絵
2位でゴールに向かう福岡Aのアンカー大津=撮影・三木千絵
京都Aの2区佐野(右)が3区中田にタッチして中継する=京都市上京区・第2中継所 撮影・松村和彦
優勝した東京チームに天皇杯を授与される高円宮妃久子さま(かたおかアリーナ京都)

歴 史

 この大会は、1988年10月29日~30日に開催しました第24回全国身体障害者スポーツ大会「愛とふれあいの京都大会」で公開競技として実施。その翌々年度(1990年2月25日(日)第1回大会開催)から名称を「全国車いす駅伝競走大会」として継続開催しているもので、全国の身体障害者が車いすによる駅伝大会を通じて、社会参加の高揚と障害者スポーツの振興を図るとともに社会の障害者に対する理解と認識を深めることを目的としています。

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