ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

訪問介護

暮らしに笑顔と安心を




食後にお茶を勧めるヘルパー(提供写真)
 新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊張感のある毎日ですが、マスクを着用して汗だくになって働いているホームヘルパー(訪問介護員)を見て「訪問介護もリモートにできればいいのにね」と気遣ってくださる利用者もあります。ヘルパーは、利用者とのこんなひと時にほっとしています。

 ヘルパーの仕事を「愛の宅急便ですね」と表現された方もおられます。インターネットの普及で、自宅にいながら何でも購入できる世の中ですが、私たちは人が人を介護する意味を考えながら、利用者が笑顔で安心して過ごせるよう日々奮闘しています。

 訪問介護サービスは、介護保険法に基づき訪問介護員が要介護者(要介護1〜5)や心身に障害のある方などの家庭を訪問し、食事・入浴・排せつなどの介助や日常生活の手助けを行います。掃除や調理などの生活行為を、本人を見守りながら一緒に行うサポートもあります。

 ヘルパーは、専門職として知識や技術を身につけることが求められています。資格が必要で、3カ月程度で取得できるものから、介護福祉士(国家資格)までさまざまです。

 他の専門職と連携し、利用者の介護や生活のあり方を見直したり工夫することで、利用者の意欲が向上し、生活そのものが改善することもあります。意欲がなくベッド上で過ごすことの多かった利用者をヘルパーが車椅子で食堂まで介助し、時には一緒に料理を作ることで楽しみが見つかり、できることが増えたケースもあります。

 京都府、滋賀県内には、1057事業所があり、訪問介護員が働いています。ヘルパーの有効求人倍率は15倍を超えており、もともと深刻な人不足の介護業界の中でも、特に人材の確保が難しくなっています。

 ヘルパーは、さまざまな利用者との出会いを通じて人の生き方を学ぶことで、自らの視野や価値観が広がるなど、専門職として、人として成長できる素晴らしい仕事です。

 「介護」は、誰もが生きる上で避けられないプロセスです。訪問介護に対して、できるだけ多くの方に関わってほしいと考えています。未経験者でも安心して働ける仕事ですので、ぜひチャレンジしてみませんか。

 介護職員養成研修のお問い合わせは、京都福祉サービス協会人材研修センター075(823)3341(平日午前8時半〜午後5時)。

(社会福祉法人 京都福祉サービス協会)