ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。

ふくしナウ:「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

《 孤独・孤立対策 》

ひとりにしない連携を




京都市役所で行われた孤独・孤立に関する連携協定締結式(22年9月)=提供写真
 2024年4月1日、「孤独・孤立対策推進法」が施行されます。社会環境の変化が進み、これまで個人や家庭を支えてきた地縁・血縁といった人と人とのつながりは希薄化の一途をたどってきました。さらに私たちの社会生活を一変させたコロナ禍は、「孤独・孤立」の問題を顕在化させ、深刻化させるリスクを抱えています。「孤独」とは主観的概念、ひとりぼっちと感じる精神的な状態、一方、「孤立」とは客観的概念、社会との繋(つな)がりがない、少ない状態を指す言葉です。この法律は、「望まない孤独」や「孤立」に悩む人を誰一人取り残さない社会、相互に支え合い、人と人とのつながりが生まれる社会を目指し、基本理念、国・地方公共団体の責務、国民の理解・協力等を定めています。

 「孤独・孤立」の問題は、ライフステージのあらゆる場面で誰にでも起こりうる身近で切実なものです。京都市では、これまでから、ごみ屋敷、ひきこもりや8050等の問題に対し、ご本人の抱える課題に親身になって向き合い、関係性を構築しながら寄り添う支援が真の課題解決に繋がるの考えの下、地域で支え合うことができる社会の実現を目指し、先駆的に取組を進めてまいりました。22年9月には、「孤独・孤立」の問題に対して、より連携した支援を推進するため、高齢者、障害者、子ども、自殺対策、ひきこもり等様々な分野で支援を行う関係機関や団体と「孤独・孤立連携協定」を締結し、現在では125団体に参画いただいています。今後は、複雑化・複合化が進む課題についても横の繋がりを強化し、必要な支援に繋げてまいります。  また、「孤独・孤立」に悩む方にまずはしっかりと情報をお届けするため、23年3月に様々な悩みごとに気軽に対応する相談窓口としてスマートフォン等で検索できるチャットボット「京都市版お悩みハンドブック」の運用を開始しました。QRコードを通じてもご利用ください。


 「孤独・孤立」とは、様々な要因から不安を感じたり、陥ることがある状態であり、これを一気に解決する特別な方法はありませんが、多様な関係機関や団体、また地域がしっかりと連携しながら、様々な制度や支援施策であたたかく包み込み、市民の皆様が安心して暮らすことができるよう、引き続き「孤独・孤立」対策に取り組んでまいります。(京都市健康長寿企画課)