ともに生きる・福祉のページ
京都新聞掲載「ともに生きる」「福祉のページ」の記事をネット上で紹介するコーナーです。
ともに生きる

京都新聞歳末ふれあい募金

配食サービスやスポーツ支援
コロナ禍でも広がる善意(22/11/28)

30日から受け付け開始



写真
季節感あふれる手料理をお弁当箱に詰めていくボランティア
 師走を前に、京都新聞社会福祉事業団は30日から恒例の「京都新聞歳末ふれあい募金」の受け付けを始める。

 新型コロナウイルスの感染者数が急増し、第8波の到来が懸念されるなか、京都・滋賀の福祉団体や施設は福祉サービスの質と量を維持するため、苦しい運営を余儀なくされている。その活動を支えるため、同事業団は募金への幅広い協力を求めている。

 募金は1965年から始め、昨年は1525件、3109万円が個人や団体から寄せられた。コロナ禍が続く中にもかかわらず善意の輪が広がり、前年比で90件、368万円増加し、10年ぶりに3千万円の大台を回復した。集まった募金は、京都新聞の寄付コーナー「善意の小箱」などと合わせ、1人暮らしのお年寄りや高齢者世帯にお弁当を届ける配食サービスの支援、在宅訪問介護の支援、福祉施設の運営や設備充実、障害者スポーツなどへの助成に充てられる。

 京都市西京区の嵐山東社会福祉協議会は、毎月1回実施している高齢者向けの配食サービスに支援された「おこめ券」を活用している。11月12日、嵐山東小の家庭科室に早朝からボランティア十数人が集まり、70食のお弁当を調理した。この日の献立は、キノコの炊き込みご飯と肉じゃが、ちりめんじゃこと青菜のおひたし、ピリ辛こんにゃく。孤立しがちな高齢者に、家庭的なやさしい味わいと季節感を存分に楽しんでもらおうと毎回工夫している。

写真
真剣なまなざしでボッチャ競技に臨む参加者たち
 出来上がった弁当は、民生委員のボランティアが協力して届けるほか、それぞれのメンバーも帰宅がてらに届ける。「食事だけでなく、顔なじみの者が届けることで、会話の機会にもなる。様子が変わりないか、確認もできます」と同社協会長の中路枝里子さん。

 運営上の悩みは、なかなか新しいメンバーに入ってもらえないことと財政面だ。25年前から弁当代(400円)を据え置いているが「小学校の協力もあって経費を抑えられていますが、ぎりぎりの運営です。それだけに、おこめ券を支援していただくのは本当にありがたい」と喜ぶ。

 募金は、さまざまな障害者スポーツの支援にも使われている。先ごろ開かれた全京都障害者総合スポーツ大会では、3年ぶりに7種目すべてが開催された。同事業団は総額85万円を大会開催のために支援する。

 このうち「床の上のカーリング」とも呼ばれるボッチャは、10月23日に府立丹波自然運動公園(京丹波町)で開かれた大会に支援学校の生徒や福祉施設の利用者、福祉団体のメンバーら85人が参加した。京都ボッチャ協会代表平木新助さんは「練習や移動などさまざまな場面で資金が必要になる。継続的な支援は、大会運営や練習に欠かせず、ありがたい」と語る。

 募金は12月28日まで。京都新聞社会福祉事業団や京都新聞滋賀本社、支社・総支局、京都新聞の販売所へ持参するか、京都銀行、京都中央信用金庫、京都信用金庫の地元金融機関に備え付けの専用の振込用紙で振り込める(手数料免除)。現金書留での送金も受け付ける。いずれも、所得税額の控除など税優遇が受けられる。問い合わせは同事業団075(241)6186。