ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

認知症の人や家族の写真展/中京、本紙掲載「700万人時代―」軸に(2023/05/08)

2023.05.08

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京都新聞写真部の松村和彦記者が、認知症の家族や本人を長期にわたって取材した連載企画「700万人時代 認知症とともに生きる」を軸にした写真展「心の糸」が、京都市中京区の八竹庵(旧川崎家住宅)で14日まで開かれている=写真。

国際写真展「KYOTO GRAPHIE 京都国際写真祭」の関連イベントで松村記者は、昨年にグランプリを受賞した。今年はメインプログラムとして開かれた。

認知症とわかってからの女性が天寿を全うするまで夫やヘルパーとつむいだ日々を、松村記者は残された連絡ノートからたどった。嫁入り道具に持参したミシンの実物も会場に展示している。「治ったのでは」と錯覚するほど生き生きと洋裁したことや植物園を散策した時に笑顔を見せたことなど在りし日の姿を伝える。

「認知症について学んだことだけを伝えたいわけではない。認知症から学んだこと。それは、心を繋(つな)ぐ糸だった。言葉を使わない対話だった」と松村記者は記している。