2023.08.15
2023.08.15
「南山城学園の粘土室」と題した展示会が、京都市上京区河原町荒神口の「art space co―jin(アートスペース コージン)」で10月1日まで催されている=写真=。きょうと障害者文化芸術推進機構が、城陽市の社会福祉法人が運営する施設内のアトリエで生み出された作品に光をあてた。40代~70代の9人が思い思いに粘土や画材に触れ、時間を過ごす。訪れる回数や制作時間もさまざまだ。粘土をちぎって削り、丸めて積み重ねる。スケッチブックに指を使って描く人もいる。芸術を鑑賞する人は、創作意図や「何を形にしたのか」と説明を求めがちだ。短時間で作品を消費する「タイムパフォーマンス」という言葉さえ近年では流通する。この展示には、都合がいい答えはない。緑豊かな丘陵地の「粘土室」という空間で、総体としてゆったりと豊かな時間が流れていることが伝わってくる。効率や生産性などの考え方に息苦しさを感じる人にとっては、深呼吸の場になるだろう。月曜休。無料。