2024.07.01
2024.07.01
《 母子生活支援施設 》
国政調査では、ひとり親家庭は増加し続けており、2020年は、夫婦と子どもからなる世帯と、ひとり親と子どもからなる世帯の比率は3対1になっています。また、21年度のひとり親家庭等調査では、ひとり親家庭の貧困率は44・5%と高く、ひとり親世帯の貧困が子どもの貧困につながっている現実があります。
日本では、少子化対策が緊急課題になっています。出生率を上げるためには、子どもの貧困問題に取り組む必要があり、ひとり親家庭への支援の充実が、求められます。
少子化対策では女性が豊かに暮らすための施策も重要です。女性をめぐる課題も、生活困窮、性暴力・性犯罪被害、家庭関係破綻など複雑化、多様化、複合化しています。課題の顕在化による、「孤独・孤立対策」の視点も含め、新たな支援強化が喫緊の課題となり、4月に、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行されました。本法では、女性の福祉、人権の尊重や擁護、男女平等といった視点が規定され、関係機関と、母子生活支援施設を含む民間団体との協働による支援が求められています。
DV被害者の生活を守るため、「配偶者からの暴力の防止及(およ)び被害者の保護等に関する法律」も改正されました。保護命令がこれまでの身体に対する暴力から、「心身」に対する暴力に拡大される等改正され、DV被害者が安全に生活できる事につながると思われます。
母子生活支援施設は、児童福祉施設として、母子の生活と自立を支援している施設です。
母子家庭や、何らかの事情で離婚ができない母と子、思わぬ妊娠等により支援が必要な女性が利用できます。施設では、母と子に対して、離婚や借金などの問題、不登校や、ひきこもり、家庭内暴力や非行の子どもに対する個別支援や乳幼児保育・学童保育による支援のほか、母が生活上の困難や病気等を抱える世帯に対しても相談と支援を行い、生活の安定と、ヤングケアラー予防のための支援、子の健全な成長も援助しています。
設備機能を活用した地域支援にも取り組んでおり、育児や生活相談、食材提供等、子どもへも学習支援や居場所作り等の支援も行っています。
利用についてはお住まいの地域の福祉事務所(京都市は各区のはぐくみ室)にご相談ください。(京都母子生活支援施設協議会 芹澤出)