ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

「出会い」キーワードに/思いや主張スピーチ/18組20人、豊かに表現

2024.02.12

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京都手話フェスティバル

手話の普及と聴覚障害者のコミュニケーション充実を目指す第19回京都手話フェスティバル(京都府聴覚障害者協会・京都新聞社会福祉事業団主催)が1月28日、京都市中京区の京都新聞文化ホールで開かれた。中学生から高校生、学生・社会人ら過去最多の18組20人が「出会い」をキーワードに「手話スピーチ」し、それぞれの思いや主張を身ぶりや表情も交えて豊かに表現した。KAZUKIさんの手話パフォーマンスもあり、約250人の参加者を楽しませた。

身ぶりや表情も交えた豊かな表現で手話スピーチした人たちが表彰でたたえられた(いずれも1月28日、京都市中京区)

スピーチ一般の部では14組15人が発表。最優秀賞を得た清寺真由実さんは「手話をきっかけに相手を見て会話することの大切さを知った。互いの心を伝える手話ができるようになりたい」と丁寧な手話で述べた。

優秀賞の種村光太郎さんは大学院で手話を勉強しながら手話通訳もしており、大学で出会ったろう者の友人とスムーズにコミュニケーションしたいと手話サークルに入った経緯を話した。同じく優秀賞の櫻井恵さん(京都市手話学習会「みみずく」)は車いすで登壇。「手話を習うようとになり、人と出会うことも、出掛けることも、おしゃべりすることも増えた。車いすへの理解が広がり、以前に比べて行けるところが増えたように、聴覚障害や手話への理解が広がり、コミュニケーション出来る人が増えればいいと思う」と自分自身の変化を手話できっちりと表現した。

同事業団賞を受けた馬場直子さんは「亀岡手話サークル年輪の会」所属。「電子機器など技術の発展でろう者も便利な社会になってきた。でも、直接に対話することで心が通じ合うことも多い。手話で対話し、広める活動を続けていきたい」と正確な手話を駆使した。

高校生の部で最優秀賞を得た北田ラクさんと齋藤璃恩さん(ともに府立京都八幡高南キャンパス)は交互に、学校で学ぶ介護実習での体験や介護についての考えなどを工夫した手話で発表した。優秀賞の山下心優さん(同校)は、テレビ番組で手話を知り学び始め、「この場に立つのは勇気がいったけど、いろんな人に励まされ助けられて発表出来ている。これからも手話を続けたい」と堅実に表現した。

府立聾(ろう)学校中学部3年の長井優奈さん(動画出場)は、ろう者に広く使われている「日本手話」と「日本語対応手話」の違いという複雑な内容をスムーズな手話でよどみなく説明した。宇治中1年の山本勇人さんは、手話通訳者を目指し手話を勉強していきたいと、元気あふれる動きで発表した。

審査委員長の吉田正雄・同協会手話対策部長は講評で具体的表現にも触れながら各自がしっかり練習を重ねた成果とし、「発表していただいたこと自体も内容もともに素晴らしかった」と敬意を評した。

最後に同事業団の白石真古人常務理事も手話を交え「手話言語の豊かさに感激した。手話にゆかり深い京都で、この催しを発展的に継続していきたい」と締めくくった。