2025.02.03
2025.02.03
《ダブルケアピア・サポーター》
ダブルケアという言葉をご存じですか。
「子育て」と「介護」を同時に行っている状態です。少子化で兄弟姉妹が少なくなったことにより、親戚付き合いや近所付き合いが減ったことを背景に、子育てをしている方やその家族が、同居別居を問わず、同時期に親の介護も抱えてしまう状況のことで、この状況にある方やその家族のことを「ダブルケアラー」といいます。
内閣府が2016年に公表した調査結果によると、全国のダブルケアラーは推計で約25万人おり、その数はさらに増加しているといわれています。ダブルケアは、精神的、体力的、経済的な負担が集中するだけでなく、子育てと介護に時間が取られて地域から孤立してしまったり、収入が必要な一方で、ケアの時間を確保するために仕事を辞めざるを得なくなるなど、複合的な問題を抱えることが多いといわれています。また、子育てと介護では行政の相談窓口が異なり、問題が解決しづらい状況も課題とされています。

京都府では、ダブルケアラーがダブルケア経験者と悩みを共有し情報提供を受けることで、負担感を軽減し、子育ておよび介護に前向きに取り組めるよう支援を行うことを目的として、ダブルケアピア・サポーター派遣事業を行っています。
ダブルケアピア・サポーターとは、自身のダブルケアの経験を生かし、ダブルケアで悩む方の不安や悩みに寄り添い、必要な情報提供や生活上の相談に乗るための基本的な知識や、ピア・サポートの技術を身につけた方々のことです。本事業では、ダブルケアラーや支援者が交流や情報交換を行う「ダブルケアカフェ」や、ダブルケアに関する勉強会等にダブルケアピア・サポーターを派遣し、悩みに寄り添い、必要なアドバイスを行っています。その他にも、子育て広場や認知症カフェなどにもサポーターを派遣し、現状や実態について広めることで、潜在的なダブルケアラーに気づくきっかけもつくっています。
また、京都府では、子育て部門と介護部門の支援者が一緒に参加できる、ダブルケアに関する研修会を開催し、支援者同士の顔が見える関係づくりを進めています。ダブルケアに関しては、京都府健康福祉部こども・子育て総合支援室や、最寄りの市町村の子育て部門または介護部門までお問い合わせください。
(京都府健康福祉部こども・子育て総合支援室)