2026.02.02
2026.02.02
京都タオル帽子の会代表 大西 ふさ子さん
「京都タオル帽子の会」は、今年で発足15年を迎えました。がん治療で脱毛された患者さん向けに、フェースタオルの生地を使い手縫いで作った帽子を、無償で届けるボランティア活動を続けてきました。
発起人3人で始めた活動は、いま会員140人に拡大。年間約2000枚の帽子を、京都府内外のがん拠点病院へ届けるまでになりました。受け取った患者さんからの、お礼状を読むたびに「帽子一つが、生きる力につながれば」との思いが募ります。
15年はあっという間でしたが、続けてこられたのは帽子を必要とされる患者さんと、間で橋渡ししてくださる病院関係者、それに「人の役に立ちたい」と針を動かす会員さんら、多くの人のお蔭だと感謝しています。
11人姉弟の5女に生まれた私は、早く両親に仕送りをしたい、という思いから京都市内の病院で准看護師として働きました。正看護師になったのは36歳。以来、京都桂病院で30年勤め、最後は院内のがん患者サロンでボランティアも始め、脱毛の悩みは聴いていました。

ある日、新聞で「岩手ホスピスの会」(盛岡市)によるタオル帽子の活動を知り、心を動かされたのです。手紙を書いて作り方を教わり、院内の患者さんにかぶってもらうと「すごくいいわ」。「それなら私も」と思ったのが、活動の出発点です。
帽子作りは現在、京都桂病院や京都済生会病院、ひと・まち交流館京都、大津市の淡海かいつぶりセンターなどで、定期的に行っています。汗を吸い肌触りもよいタオル生地は、患者さんに喜ばれ、大阪・船場の専門店で現物を確かめて購入します。新品を送ってくださる方もあります。
帽子は、1枚仕上げるのに2時間近くかかります。会員さんは、集まる楽しみと、やりがいを感じて来てくださるので苦にされません。苦しかったのは、コロナ禍の時期でした。多数で集まれないので、私と会員さんがバス停で待ち合わせ、裁断したタオルと出来上がった帽子を1対1で交換する事態になりました。
活動断念も考えましたが、会員さんから「帽子が必要な方がおられる限り続けよう」と、励まされました。会のモットーは「できる人が、できる時に、できる事を、できるだけ」。柔軟なこの発想で、大抵の困難は乗り越えられます。会費と寄付が頼りの運営なので、赤字になるような無理な活動はしません。
会員拡大へ、帽子を作りたい方には見本1枚と型紙、説明書を1セット千円で提供。入会は常時、受け付けています。
会員の高齢化が進み、後継者育成は最大の課題です。大手生保会社のご協力で最近、若手社員さん対象に帽子作り講習会が復活したのは明るい兆し。こうした取り組みを増やし、次代の活動を担う人材確保に努めていくつもりです。
おおにし・ふさこ
1949年、愛媛県生まれ。京都桂病院附属高等看護学校卒。同病院で65歳まで勤務の後、2011年、「京都タオル帽子の会」を設立。治療で脱毛時期の患者向けに、タオルk生地の帽子を作り、依頼を受けたがん拠点病院に届けている。京都市上京区在住。