2026.02.16
2026.02.16
「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。
イラストレーター・こどもみらい館館長 永田 萠
あれは去年の11月初め頃。御所南小学校の2年生たちが、生活科の学習で地域のお店や公共施設を見学した後、特にこどもみらい館の図書館に関心を持った子どもたちが、再度質問するために館にやって来るという報告があった。これはおもしろそう、と会議室をのぞくと、部屋には引率の先生と2年生の男女十数名。次々と質問の手が挙がる。回答者は私のよく知るベテラン司書。「本の消毒はどうするのですか?」「特殊な機械で紫外線消毒します」「目の不自由な人が来たらどうするのですか?」「まずその方の左側に立って、自分も含めてまわりの説明をします」。
いい質問が次々と出てしばらくすると、1人の少年がこう尋ねた。「あなたが仕事をする上で、一番大切にしていることは何ですか?」。おお!質問が深い。私だったら答えられるかな?と自問していると、司書さんはやや緊張気味にこう言った。「はい。第一に言葉使いをていねいに。次に利用者のご希望にきちんと向き合って対応することです」

小学生たちが帰った後、みんなで「いやあ、びっくりしたねぇ」「就職面接みたいだったね」と感心ひとしきり。そして年が明けて先月半ばのこと。御所南小学校から、先日の子どもたちの学習発表会への招待状が届き、喜んで例の司書さんたちと出かけた。
2年生5組160名がそれぞれのテーマ別にブースを作り、1人1人机を前に発表するというもので、大変な熱気だった。図書館チームの子どもたちも絵本、クイズ、ゲームなど発表スタイルも多種多様で、それぞれの方法で施設について説明してくれる。取材からたった2カ月でここまでの工作物が作れているのはすごい。私は関係者であることを隠して1人の少女に「どんな図書館なのですか?」と聞くと、彼女は眼鏡の奥の聡明(そうめい)そうな瞳をキラキラさせて元気に答えてくれた。「とってもきれいな図書館で、みんなとても親切です。ぜひ行ってください」。うれし過ぎて泣きそうだった。
ながた・もえ氏
出版社などでグラフィックデザインの仕事に携わった後、1975年にイラストレーターとして独立。2016年より京都市子育て支援総合センターこどもみらい館館長に就任。