2026.02.23
2026.02.23
障害のある人の就労支援シンポ
シンポジウム「障害のある人の就労支援」が15日、京都市中京区のハートピア京都で開かれた。地域が連携して事業所の成長につながる道筋を、幅広い層の人たちが探った。就労希望者とのマッチングや柔軟な雇用面で、地域に根ざした中小企業の果たす役割が浮かび上がった。
共生社会の実現をめざして京都新聞社会福祉事業団が主催し、16回目を迎えた。2人による講演とグループ交流会に分けて行われた。
「安心して働き続けられるための環境づくり~職場定着向上への実践~」とテーマに、産業廃棄物の収集・運搬やペットボトルの再資源化などに取り組む「クリーンスペース」代表取締役の橋本味永子さんが講演した。

保育士だった橋本さんは、産業廃棄物収集運搬業の会社として設立された同社で2006年から障害者の雇用を始め、22年にはグループホームも始めた。
従業員12人のうち9人に障害があり、職場では一見とまどうような不思議な行動について「その人なりの理由やこだわりがある」と具体例を示した上で個性や特性を仕事につなげていることを説明した。同社で働く4人も発言し、プレス機でペットボトルを圧縮する作業やグループホームでの生活について喜び、やりがい、失敗体験を語った。
橋本さんは「互いに認め合える仲間の存在が、安心して働く力になる」と述べた。
続いて京都中小企業家同友会理事の芳賀久和さんは、希望者と職場の橋渡しとなっている就労支援組織「CoCoネット」について紹介した。
双子の息子が知的障害の自閉症という立場をまず伝えた芳賀さんは、同友会のインクルージョン委員会では「幸せに暮らせる地域づくりを実践する経営者集団」をめざしている、と述べた。
企業や福祉、医療、行政など35機関が参画するCoCoネットの役割として「地域の中で互いの顔が見えるネットワークを通して、誰もが個性を生かせる就労の輪を広げていく」と述べた。木工や印刷会社、リサイクルショップなどでの実習について、大規模な組織ではなく中小の企業ではオーダーメードに近いマッチングができることを説明した。
「地域の中小企業はがんばっています」と、芳賀さんは結んだ。

◇ ◇
中小企業の経営者や就労支援関係者のほか行政、大学関係者ら講演の聞き手約80人がグループに分れた交流会は、就労継続支援事業所「あむりた」の白濱智美施設長が司会進行を務めた。オーダーメードの支援やグループホームの役割、時間や日数など異なる柔軟な働き方などについて活発に意見を交わした。
障害者雇用を始めたきっかけ、職場にとってのメリットとデメリット、今後の課題など各グループから上がった質問に対し、橋本さんと芳賀さんはそれぞれマイクを握って答えた。2人のていねいな口ぶりからは「地域が連携して就労の輪を広げよう」との共感がにじんでいた。
(秋元太一)