ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

親からの感謝 原動力に 食育配慮 テイクアウト食(2026/03/09)

2026.03.09

  • 広がる 地域の輪

ちいさな子ども食堂

 「ちいさな子ども食堂 毎月第4土曜日」と記された大きなパネル掲示が2月下旬、京都市中京区西ノ京の住宅街道路に面した飲食店の外壁に表示された。

 「まちのきゅうしょくしつ 紙屋川」という店を拠点に毎月1回開いているのが、ちいさな子ども食堂だ。

 子どもから学生まで100円、大人500円で食育に配慮した手作りのテイクアウト食を提供している。

 2月28日、開始時刻の半時間前には店周辺の路上に親子連れや高齢者など数十人の長い行列ができていた。

 店の厨房(ちゅうぼう)で調理されたばかりのメニューは、やきとり丼だった。水菜や刻みのり、ダイコンの漬物など彩りや栄養に心を配った料理が準備テーブルの容器に並ぶ。近所の主婦など十数人のボランティアスタッフが手際よく盛り付け、列の利用者に手渡していった。

 当日の受付や案内、会計、利用者へのアンケートなどもボランティアスタッフが手分けして担っただけでなく、前日の準備段階からボランティアが参加していたという。

 予約も含めて約130食が、開始から半時間で売り切れた。近年増えているという子どもの利用も、この日は90人を超えた。地元の児童のうち5人は店内でにぎやかにしゃべりながら味わっていた。「この後はサッカーへ行く」と元気に飛び出していった。

行列の利用者に渡すやきとり丼を盛り付けて準備するボランティアスタッフ(京都市中京区)

 ちいさな子ども食堂の実行委員会代表は、「京都中・右京健康友の会」副会長の柴茂保さん(71)が務めている。

 柴代表によると、子ども食堂は2020年11月から開いてきた。当初は30人程度だった利用者も現在は口コミを中心に120食以上に増えている。開始してまもない時期、新型コロナウイルス禍に直面し、手探りで衛生面など感染対策をして乗り切った。

 今ではせっかく来てもらっても売り切れてしまうこともあるそうだ。京都フードバンクや米屋など地元業者の協力を得るほか、地域の自治連合会、社会福祉協議会、少年補導委員会などの協賛も大きな支えになっているという。

 子ども食堂が終わった午後には、近くの総合福祉施設「ウッドワン」で、子どもを対象にした「しゅくだいをやる会」も催している。勉強を終えた子どもは保母や教員経験者による紙芝居や絵本の読み聞かせ、ゲームなども楽しむそうだ。

 「若い母親、父親の子育て支援につながっていけばいいのではないか」と柴代表は話す。

 柴代表やボランティアスタッフにとって、活動を続けるやりがいの原動力になっているのが、子育て中の親から「助かっている」「いつもおいしいご飯をありがとう」などの言葉だという。

 健康友の会では、中京まちなかねっとわーくを結成し、高齢者の居場所として中京地域の7カ所の「サロン」や「歩こう会」にも取り組んでいる。

 「世代を問わずに安心して地域で過ごせる居場所づくりをお手伝いしたい」。柴代表はそう話している。

(秋元太一)

まちのきゅうしょくしつ 紙屋川

京都市中京区西ノ京北壺井町。営業日は月、水、金曜。焼き魚、マーボー豆腐、肉じゃがなどメイン1種に煮物など副菜を添えた日替わりランチを、900円で提供している。午前11時半~午後2時、午後5時半~8時。次回のちいさな子ども食堂は、「ちらし寿司」をメニューに3月28日午前11時から。