2026.03.23
2026.03.23
京都きょうだい会
家族の介護や日常生活の世話を担う子どもや青年など「ヤングケアラー」の問題への認識が高まり、支援が注目されている。
身体や知的、精神などの障害を持つ当事者の兄弟や姉妹が抱える特有の思いや悩みを話し合い、分かち合おうという趣旨の会、「京都きょうだい会」は、40年以上活動を続けている。隔月に例会を開き、日頃の悩みや不安を語り、過去の経験も交えて相談し、励まし合う活動が柱だ。
毎回、20代から70代の10~20人ほどが参加する。ここ10年ほどはインターネットの普及やホームページの効果で新しい参加者に広がりが出てきた。
共同代表の糸井慶一さん(76)は「親の関心がまず障害のある子に向かいがち。親の代わりに介護を担いヤングケアラーになったり、親の老いた後は、親代わりにも。自身の進学や結婚、就職問題、周囲の無理解などにも直面する」と話す。糸井さん自身、障害のある兄弟の力になろうという気持ちとうとましく思う気持ちが同時にあり、自己嫌悪になったり、自分の存在を自問自答することもあったという。同様に孤独で悩み、家族であることのプレッシャーや自分の進路が見つからず、特別な悩みや負担問題に出合う人は少なくない。

もう1人の共同代表梅田嘉一さん(71)は「よい子でいることが期待され、そうでない自分とのギャップに悩み、自己肯定感が持てず苦しんできた人もいる。そうしたモヤモヤした感情を整理するのも会の効用」といい、会員も結婚や就職で状況が変わり、小人数になって活動が低迷したこともあったが、糸井さんと2人で力をあわせ続けてきた。「親亡き後」もと活動してきたが、当事者がなくなってからも「経験を伝えようと」活動は続けている。
糸井さんは会が「当事者の会」になるまでに多くの試行錯誤と時間を経過してきたと振り返る。「障害がはっきりと判別されると障害者手帳の交付など福祉施策の対象になる。知的や精神障害の場合、ボーダーラインにいると、当事者が浪費したり、詐欺被害にあったりと、家族のかかわりやケア、影響のプロセスが長くなる。障害の程度が軽いほうが家族への影響が大きいというケースも出てくる」といい、「障害者本人だけでなく、ノーマライゼーションが親やきょうだいにも必要だ」と思っている。
梅田さんと2人、「親亡き後にバトンタッチを要請され、応えたいと思いつつ、自分の家族も人生もある。特に当事者がどこで暮らすかという住まいの問題も出る。やむを得ず兄弟姉妹が同居しているケースも少なくない。福祉施策には家族があることを前提にしているものもあるが、高齢社会になり、それに対応した福祉制度を考えてほしい。障害者福祉でも住まいの問題をもっと充実して」と語る。さらに糸井さんは「会のありようは、障害者福祉全般の反映でもあり、そのことを研究者的な人とも交流を深めて、掘り下げていければ」と期待し、梅田さんは「世代交代を考え、成年後見制度の紹介など相談事業も強化したい」と考えている。
(ライター 山本雅章)
「京都きょうだい会」
正式名称は「京都『障害者』を持つ兄弟姉妹の会」。1983年に発足。奇数月の第2土曜の夜、ハートピア京都(京都市中京区)で例会開催。2024年にできた京都市のケアラー支援条例の推進委員会に参加し、条例の具体的な肉付けにも協力している。連絡先はkyoto.kyodai@gmail.com