ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

空いた時間に社会貢献

2026.04.06

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下京男塾塾長 岸田 和夫さん

 「下京男塾」は、京都市の下京区社会福祉協議会が2018年に開講したボランティア講座の修了者でつくるグループです。定年などでリタイアした後も、時間を持て余すことなく、生きがいを見つけ社会に貢献しようと、活動してきました。

 1期生24人でスタートした当初は、料理やウクレレ、囲碁・将棋などにも取り組みました。しばらくすると、相手があって、しかも喜んでもらえるコーヒーボランティアが次第に活動の中心になっていきました。高齢者福祉施設などを訪れ、ハンドドリップ式のコーヒーを入れて飲んでもらう活動です。

下京男塾のロゴ入りTシャツで「ボランティアは、社会への恩返し」と話す岸田和夫塾長(下京区の自宅)

 「どうすればおいしく入れられるか」を丹念に研究した結果、私たちメンバー全員が、お湯の温度管理やフィルター紙の扱い方など、この8年で確かなコツをつかんだと自負しています。

 出張依頼が多数寄せられるようになり、今では下京区内の高齢者福祉施設を中心に月に3~4回は出張。認知症カフェに呼ばれるほか、京都SKYセンターのフェスタなど、毎年必ず参加するイベントもあります。

 「おいしかった」「また来て」の声とともに、手を握って離さないほど感謝してくださる方もあり、メンバーのやりがいにつながっています。

 私は55歳でサラリーマンを定年退職した後、亡くなった母の介護を5年続け、手がすいた08年に京都市の健康づくりサポーターに応募。メタボ解消・予防へ「メタボビクス体操」の普及に取り組みました。

 区民ソング「下京のうた」に合わせ体を動かす1セット15分のハードな体操です。梅小路公園の野外ステージを主な会場に、コロナ前までは毎週1回開き(現在は月2回)、多くの市民に参加していただきました。この間、高齢者や障害のある方の日常を補助する下京区の生活支援員も5年ほど務めました。

 ボランティアには以前から興味があり、下京区社協にはよく出入りしていました。リタイアして歳を重ねてみると、自分が今あるのは周りの人々のおかげだと気づかされ、「何か恩返しを」と考えたのが参加の動機です。

 健康づくりサポーターは「メタボやっつけ隊・しもけんズ」のリーダーとして10年続けましたが、体に障害を負い現在は休養しています。ただ、多くの人と交流が生まれ心の健康には、これ以上ないものを得ることができたと、感謝しています。

 「下京男塾」には規約がなく、自由に発言、提案できるよさがある反面、今やメンバーがほぼ半減して、若返りと入塾者勧誘が課題です。今後は、定年退職者に限る入会資格を撤廃して「来られる時に参加すればよい男塾」への衣替えを図る一方、要望の多い料理教室に力を入れるなど、活動メニューも一から、見直していこうと考えています。

きしだ・かずお

1947年、京都市生まれ。化学薬品会社などに務め退職後の2008年、京都市健康づくりサポーターに応募。10年間、メタボ予防体操のリーダーを務めた。08年からボランティア「下京男塾」の塾長。昨年、下京区社協表彰を受けた。生活習慣病予防指導士。喜楽亭三優の芸名で落語も語る。下京区在住。