ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

子の「やりたい」を支える お寺を地域とつながる場に(2026/04/20)

2026.04.20

  • 広がる 地域の輪

みんなの居場所 かむはぴ

 一般社団法人「みんなの居場所 かむはぴ」は、向日市のお寺の境内に設けたフリースペース「釈迦fe(しゃかふぇ)」を拠点に、さまざまな活動を展開するユニークな団体だ。

 代表の福井ともみさん(62)はお寺で育ち、「お寺は地域の中で皆がつながる場所だったはずが、だんだんと敷居が高いものになっている。それを取り戻したい、地域の人とつながりたい」と思い境内の一角にあった古い建物を改装。自身が関心があった、学校に行きづらい子らも含めて「子どもの居場所」や学習支援に活用しようと始め、いろいろな活動に広がってきたという。

 2018年から「無料学習支援」を始めた。ボランティアの大学生や院生が宿題や子どもの望むテーマの勉強をみる。テスト対策や野外での遊び、運動なども交え子どもの「やりたい」に応えている。これまでには急な高校受験をサポートして希望の学校に合格できたケースや、「ラーメンを作ってみたい」の希望に製麺から始めたり、「豆腐を作りたい」という時には、大豆を栽培することからスタート。「とにかく何かのきっかけが大事。それを大切にしていきたい」と福井さん。

春の畑で野菜づくり作業に汗を流す「ファーム」活動のボランティアら(8日、向日市)

 「ファーム」はこうしたこともきっかけに4年ほど前から始めた。寺の近くの休耕されていた700平方㍍ほどの畑を借りて雑草引きから始めた。昨年からはボランティアのチームもできて活動体制が整ってきた。サツマイモやジャガイモから始め、いまではイモ類のほか、タマネギ、ホウレンソウ、キャベツ、ブロッコリーなど多彩な種類の野菜を育てている。

 「みんなの食堂」は2年半ほど前から、毎月第3土曜に寺の本堂を会場に開いている。訪れるのは子どもと地域の年配者など大人が半々ほど。普段家庭で食べる「おふくろの味」を重視して、季節感のある料理や伝統的な献立をベースに栄養バランスも考え、皆でメニューを組み立てる。ファームで取れた野菜などを食材にヘルシーな献立になるようにも配慮。テイクアウトも含め35食程度を準備する。午前中の調理には、近くの放課後等デイサービス施設に通う児童らも含めて子どもも加わり、ボランティアメンバーの大人とのコミュニケーションを図るようにしている。

 毎月第1土曜日午前10時から午後2時までは、寺の門前で「マルシェ」を開く。ミニマーケットやフリマコーナーでは「ファーム」の無農薬野菜や近くの福祉施設製のクッキーなども販売する。そこで販売する「来福ちゃんカレー」は大人が1500円で「まんぷくチケット」を購入寄付すれば、5人の子どもに無料のカレーが提供される仕組み。

 「つながろCAFE」は、学校に行きづらい子どもらの親の会。子どもの「自宅での状況や悩み、親としての対応を話したり考えたりして、参加者がみんなで共感する場」にし、時には教育や子育ての専門家を招いて学習会も開いている。

「みんなの居場所 かむはぴ」

018年にスタート。23年に法人格取得。向日市社会福祉協議会とも連携し、「なないろファーム」を共同運営し、「社協カレー食堂」にも協力している。フリースペース「釈迦fe」は向日市寺戸町中垣内の来迎寺(らいこうじ)敷地内。075(921)0343