2026.06.08
2026.06.08
「逢坂Smile door 子ども食堂」
大津市の団体「逢坂Smile door 子ども食堂」は、大津駅前公園で雨天以外は毎朝ラジオ体操を行い、体操の後は牛乳やおにぎりが出たり、夏場にはスイカ割りを楽しむこともある。月1回は隣接する逢坂公民館で、節分、ひな祭り、七夕など季節の行事にちなんだ活動をしている。
コロナ禍で子どもらが集まって登園・登校することもしにくくなった2021年に、殿城弘子さん(69)らが、公園に集まって楽しく体を動かし仲間作りが出来ればと考え、あわせて引きこもりや学校に行きづらくなった子どもの居場所作りにも役立てばとスタートした。ボランティアスタッフ数人と一緒に活動を続けている。
5月には、保護者も参加してうちわを作った。無地のうちわにノリを付け粉にしたパステルを振りかけたり、パステルで描いたりした。金魚やアジサイ、朝顔など夏らしい模様を抜いた型紙を使い、色を重ねたり消しゴムで白く消したり、配置や取り合わせも自分なりの工夫をこらして完成させた。

にぎやかな作業の後は皆で後片付け。食事の準備に机を並べ替え、コップやはしを整え、子どもの日のお祝いにとスタッフが用意した赤飯のおにぎりを食べた後はゴミ集めや後片付けまで共同作業の経験もする。殿城さんらは、食中毒など衛生面や安全面には特に気を使っている。金銭面では時に持ち出しが出たりする苦労もあった。
23年からは同市内の琵琶湖ホテルの畑を借りて玉ねぎやジャガイモを作り、カレーの材料にしたり、大量に採れた時には朝の体操時に希望者にも配布した。こうした企業や滋賀県教委、大津市などの協力も運営の助けになっている。そこで、作ったうちわは琵琶湖ホテルに預け、宿泊客が希望すればプレゼントして「ようこそ滋賀に」ともてなしの手伝いにもする。
殿城さんは養護教諭だったので、アレルギー症状のある子や、子どもの自死などの話題を見聞きし「子どもたちの心理的な助けができたら」という思いもあって活動を続けている。また夫の幸雄さん(73)と夫婦で2000年から3年間、イタリア・ローマの日本人学校で勤務した。その折に街に出ると公園でお年寄りから大人、子どもたちが、ごく自然に出会ったり、声を掛け合ったりしている場面をよく目にした。「いいなと思いました。私たち夫婦も外国人であっても受け入れてくれ、イタリア語がうまく出来なくても、ゆっくり話し、ゆっくり慣れていったらいいよと言ってくれた」。
「今は夫婦2人、親の介護も終え、自分たちの時間なので、子どもらの笑顔が見れるのが楽しいね、と続けています」と話す。活動のやりがいは「町のあちこちで子どもたちと出会い、あいさつしてくれることもあったりする。学校に行けなかったり、みんなと一緒に食事をするのが苦手だった子が、行けるようになったり、食事できるようになったりするのもうれしい」とも。「子どもらには、親以外のいろんな大人に出会ってもらいたい。『しんどく』なった時に話せる大人と知り合っていてほしい。いろんな大人の姿を見て、自分の人生を考え生きていけるようになれば」と付け加えた。
「逢坂Smile door 子ども食堂」
2021年にスタート。連絡先は090(1899)2969(殿城さん)。殿城さん夫婦は、もともと住んでいた甲賀市水口町で16年から子ども食堂を始め、移り住んだ大津市でも21年から活動する。甲賀市の子ども食堂は、他のスタッフとともに継続している。